BlenderのMac推奨スペックと便利な周辺機器を解説
こんなことが知りたい
BlenderのMac推奨スペックは?
CPU、GPU、メモリはどれくらい必要?
ここでは、Blender用パソコンにMacを検討している方に向けて 「BlenderのMac推奨スペック」 を解説しています。
また、Blenderで3Dモデリングやアニメーション作成をするにあたって、 「おすすめのMac」と 「使うと快適な周辺機器も」 一緒に解説していきます。
あなたのMac選びのお手伝いができれば うれしいです。
目次
Macの推奨スペック
Blenderを使うためのMacの推奨スペックは、 Blender公式サイトに記載されています。 公式サイトのスペックをもとに、 いま市場に出ているMacのパソコンに置き換えると、 推奨スペックは次の表のようになります。
推奨スペック
CPU |
|
---|---|
メモリ |
|
グラフィックス | GPU 8GB以上 |
Blenderの公式サイトに書いてる 「macOS Version11.0以降のApple Silicon製CPU」は、 2020年以降に発売されたMシリーズになります。
ちなみに、 この推奨スペックを満たすには「M1 Proを搭載したMacBook Pro」もしくは 「M1 Max を搭載したMacBook Pro」になります。 メモリを32GBまでオプションで選べるのは、 このM1 ProとM1 Maxを搭載したMacのみです。
ただし、必ずしも上の表のスペックである必要性はありません。 メモリは16GBでも比較的快適に動作しますし、 GPUも4~6GB割り当てられればカクカクした動きにはなりません。
つまり、MacBook AirでもM2搭載のMacBook Proでも Blenderはしっかりと動作してくれます。
しかし、「メモリは最低でも16GBがおすすめ」です。 なぜなら、MシリーズはGPUとメモリを共有しているためです。
例えば、下の図のような背景の3DCGに対して 壁紙や木の質感などを適用する「マテリアル設定」を行うようなときに GPUを使った3D表示をします。
このとき、3Dオブジェクトの読み込みと GPUを使った高速3D表示の両方でメモリを使うため できるだけ大容量のメモリがおすすめなのです。
ちなみに、 このデータを開きながらマテリアル設定を実行すると 6.5GB~7GB以上のメモリが使われていました。 私が試したのはCPU内蔵グラフィックスのWindowsパソコンですが、 Macでも似たようなメモリ消費量になるでしょう。
つまり、8GB搭載メモリだと80%以上使い、かなりひっ迫して 動きも遅くなってしまうリスクがあるわけです。
こういう理由から、 最低でも16GB以上のメモリがおすすめです。
おすすめMacBook
私の3DCADサポート経験から 「いつもお客様に提案しているスペックのおすすめパソコン」を ピックアップしました。
MacBook Pro「14インチ 8コアCPU 14コアGPU M1 Proチップ 16GBメモリ 512GB SSD」
スキル目安 |
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CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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SSD |
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価格 |
28万円弱~ |
M1Proチップ搭載のMacBook Proです。 メモリは32GBを選んでいます。
MacBook Air「13インチ 8コアCPU 8コアGPU M2チップ 16GBメモリ 512GB SSD」
スキル目安 |
![]() |
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CPU |
|
メモリ |
|
グラフィックス |
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SSD |
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価格 |
22万円強~ |
M2チップ搭載のMacBook Airです。 メモリ16GBのオプションにしています。
MacBookは外部モニターもおすすめ
MacBookはWindowsノートパソコンと違って、 Retinaディスプレイなので高解像度の液晶がついています。
例えば、14インチのMacBook Proでも3024x1964ピクセルあるので、 WQHD解像度よりも高い解像度になります。 ちなみに3Kの解像度ですね。
さて、Blenderでモデリングやアニメーション作成をするのに、 この高解像度に対して画面サイズでは 少し小さいように感じてしまうことも少なくありません。
そのため、MacBookを使っているクリエイターさんは 外部モニターを付けて、「MacBook+外部モニター」の デュアルモニターで作業をしている方も多いのです。
ちなみに なぜ外部モニターがおすすめなのか?というと、 作業効率が圧倒的に違うからです。
例えば、「MacBook+外部モニター」にした場合、 外部モニターにBlender画面を出しながら、 MacBookにはPhotoshopでマテリアル設定で使う「テクスチャ」を作成するという ような平行作業がしやすいのです。
こういう作業効率の面からも 外部モニターをおすすめしています。
Magic Mouseと3ボタンマウス
続いて、Macの周辺機器についても解説していきます。
Macのマウスといえば「Magic Mouse」ですが、 Blenderでは3ボタンマウスが標準なので Magic Mouseを使う場合は Blenderで設定を変更する必要があります。
そのことを踏まえると、 「できればMagic Mouseではなく、 3ボタンマウスをつかうことをおすすめ」します。
なぜなら、 「3ボタンマウスでの操作に慣れておけば Windowsパソコンに乗り換えたときでも 違和感なくBlenderを使えるから」です。
例えば、Blenderを使い続けてスキルがついたときに 制作会社でクリエイターとして働くことがあるかもしれません。 いまの日本の3DCG制作会社ではWindowsパソコンが主流なので、 3ボタンマウスが使われることが多いのです。 そんななかMacでMagic Mouseの操作に慣れていると、 3ボタンマウスを使いこなすまでに時間がかかるリスクがあるわけです。
「私はずっとMacで行くんだ!」という方は問題ないかもしれませんが、 Windowsパソコンを使う可能性がある場合は、 3ボタンマウスを最初から選ぶことをおすすめします。
テンキー付きのキーボード
Blenderにおいて、キーボードもかなり重要です。 なぜならBlenderではショートカットキーを使うことが多いためです。
そんなショートカットキーが割り振られているキーボードですが、 Blenderではテンキー付きのキーボードがおすすめです。
なぜテンキー付きキーボードがおすすめなのか? その理由は 「Blenderで最も操作数が多い「3D表示機能」のショートカットキーが テンキーに割り振られているため」 です。
例えば、モデリングのときには、 「真上」「正面」「側面」の3D表示をして違和感がないか確認しながら 作業を進めていきます。 また、細かい部分を修正するのにズームインやズームアウトも頻繁に使います。
これをショートカットキーで操作することが多いわけです。 ショートカットキーではなく、 画面上のボタンを押して3D表示を変えることもできますが、 圧倒的な作業効率の差が生まれるので通常はショートカットキーを使います。
こういう理由からも テンキー付きのキーボードがおすすめです。
冷却スタンド
3DCG用ノートパソコンの必需品と言っても過言ではないのが 「冷却スタンド」です。
なぜ冷却スタンドがおすすめなのか?ですが、 「BlenderではCPUやGPUをフルに使う機能が多いので MacBookが熱くなりやすいため」 です。
特にマテリアル設定やレンダリング設定をするときには CPUとGPUの使用率が100%近くなることが多々あります。 このときMacが高熱になるとパフォーマンスが落ちたり、 Mac自体が熱で落ちたりするリスクがあるわけです。
これを避けるためにも 冷却スタンドをおすすめしています。
ちなみに、私自身もWindowsノートパソコンを使っていますが、 下の図のような「ノートパソコン+冷却スタンド+外部モニター」で 3DCG作成をしています。
Windowsのおすすめパソコン
当サイトでは Blenderが快適に動くおすすめのWindowsパソコンも紹介しています。
Blenderの推奨スペックをもとに 失敗しないパソコンの選び方も解説します
あなたがWindowsパソコンにするか、Macにするか悩んでいるならば、 ぜひ一度、こちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。
まとめ
「BlenderをMacで使うときの推奨スペックはコレ!」についてのまとめです。
Blenderを使うときのMacの推奨スペックは 基本的にはWindowsパソコンの推奨スペックと同じ。
メモリは32GBが推奨だが、16GBでも問題なく動く。
外部ディスプレイをつなげることで デュアルディスプレイにできるので作業効率が圧倒的によくなる。
Magic MouseはBlenderの設定を変えると使えるが、 通常の3ボタンマウスに使い慣れている方が、 Windowsパソコンに乗り換えたときにも対応が利く。
テンキーに重要なショートカットキーが割り当てられているため キーボードはテンキー付きがおすすめ。
BlenderではCPUとGPUを最大限に使うことが多いので パソコンが熱くなりやすい。 そのため冷却スタンドがあると熱暴走を防げるのでおすすめ。
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