IKとFKの違いってなに?アニメーション初心者向け

IKとFKの違いをわかりやすく説明します

IKとFK

こんなことが知りたい

アニメーションで使うIKとFKってなに?

IKとFKってどんな違いがある?

ここでは、3DCGアニメーションに興味がある方に向けて 「アニメーションで使うIKとFKの違い」を解説していきます。

「そもそもIKとFKって何?」 「アニメーション作成ではどのように使い分ける?」 「IK、FKが使えるソフトは?」 と、3DCGアニメーション作成の初心者が疑問に思うことを取り上げて、 できるだけわかりやすく丁寧に説明しています。

あなたの情報収集のお手伝いができれば幸いです。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

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目次

IKとは?

まず、IKとは何か?ですが、 IKとはインバースキネマティクス(Inverse Kinematics)の略で、 日本語では逆運動学という名称です。 ロボット制御でよく使われる手法です。

IKとは?を一言でいうと、 「末端の位置を決めることで、他の関節の位置と姿勢を推定する機能」 です。

具体的なイメージとしては、 人間の手を引っ張ることで肘や肩の姿勢が変わっていくイメージです。

例えば、座っている人を立たせるために、 手を引っ張り上げますが、そのときに身体全体が動きます。 末端である手の位置を決めてやることで、 肘や肩の姿勢、胸や頭の向き、腰の位置や膝の角度を推定しています。

下の図のように、 右手を引っ張り上げると、右肘や右肩、腰から膝まで動くような仕組みです。

IK

この姿勢推定の仕組みがIKです。 じっさいのアニメーションでは、 いくつか制限をかけてIKで姿勢を作っていきます。

制限の例としては、身体のいくつかの関節を固定させて手を動かすことがあります。 例えば下の図のように、 動いてほしくない部分をピンで留めるようなイメージです。

IKのピンドラッグ

このようにして、IKでキャラクターの姿勢を作っていきます。 また、IKは人間らしい姿勢になるように、 各3DCGソフトでチューニングされています。

IKのアニメーション作成機能が使える3DCGソフトに Maya、3ds Max、MotionBuilder、Cinema4D、Blender、Shade3Dがあります。 これらソフトは、 できるだけ簡単に「人らしい姿勢」を作れる仕組みになっています。 そして、各ソフトで姿勢を推定する精度が異なります。

例えば、Maya、MotionBuilderの「HumanIK」という機能は、 人間の構造を加味して精度よく人らしい姿勢になるように チューニングされています。

FKとは?

つづいて「FKとはなにか?」ですが、 FKとは、フォワードキネマティクス(Forward Kinematics)の略で、 日本語では順運動学という名称です。 こちらもロボット制御で使われる手法です。

FKとは、を一言でいうと、 「腰に近い位置の関節の姿勢を順に決めることで、末端の位置を決める機能」です。

FKは、IKとは逆の方向から姿勢を推定しています。 じっさいの人間もFKと同じ仕組みで姿勢を作っていくので、 「順方向」という意味で順運動学という名称になっています。 一方でIKは人間の姿勢決定の仕組みと反対方向なので 「逆方向」という意味で逆運動学と呼ばれています。

さて、FKの具体的なイメージとしては、 キャラクターの股関節や膝、肘や肩を曲げることで姿勢を作るイメージです。

例えば、キャラクターをイスに座らせるために、 「骨盤を傾ける→股関節を曲げる→膝を曲げる→足首を曲げる」の順番で関節を 曲げていくと座位になります。

この「骨盤→股関節→膝関節→足関節」の姿勢を決めてやることで 「つま先」の位置が決まります。

FK

さて、なぜこの順番になるのか?について、 もう少し説明します。

通常3Dキャラクターは、身体の各部位をセグメントにわけて、 そのセグメントどうしを関節でつないで人型にしています。 このセグメントは必ず階層構造になっています。

例えば、腰が一番上の階層になっていて、 手足などの末端に向けて階層が下がっていきます。

階層

FKは、これら上層階から下層階に向けて姿勢を決めていき、 最下層の位置を決めるので「骨盤→股関節→膝関節→足関節」 の順番にになるわけです。

この階層構造や順番を意識してFKをすることで、 自分が思っている姿勢に近づくことができます。

逆に階層構造の下の部分からFKをしていくと、 なかなか思った通りの姿勢にならないことが多いので注意が必要です。 例えば、座る姿勢を足先からFKでやってもなかなか思い通りの 姿勢にはなりません。

IK、FKの使い方

さて、IKとFKの概要は上で説明したとおりですが、 じっさいどうやってIKとFKを駆使してアニメーションを作っていくのでしょうか。 これについてもう少し掘り下げて解説します。

人気の3Dアニメーション作成ソフトである Maya、3ds Max、Cinema4D、Blender、MotionBuilderでは、 IKとFK両方を使いながらアニメーションを作成していきます。

IK、FKの使い方としては、 「まずIKで大まかな姿勢を決めてから、 そのあとFKで修正してアニメーションを作っていく手順」 になります。 このとき、IKとFKを行ったり来たりしながら姿勢を微調整します。

私の個人的な感覚では、FKが8割、IKが2割くらい機能を使って 姿勢を作っていきます。 ここは個人差があるので、あくまで私の感想くらいに捉えていただくとうれしいです。

さて、なぜIKは使用頻度が低いのでしょうか。

その理由は、IKは予期しない姿勢になることが多いためです。 つまり、人間らしい姿勢にならないことが多いのです。

IKの方がマウスをドラッグして姿勢と位置の両方を決めることができるので、 とても直感的で効率がいいです。 しかし、精度の問題で姿勢が崩れることがあります。

これを修正するのがFKです。

FKは直接、関節を曲げ伸ばしするので、 人間らしい姿勢を表現しやすいのです。

そのため、常にFKを意識して姿勢を決めていくことで、 人の動きを精度よく作れます。

ただ、FKは直感的ではないので時間がかかりますし、ノウハウも必要です。 「上の階層から曲げていけば手先はこうなるだろうな?」 と想像できるスキルと経験がモノを言います。

そのため、初心者ほどIKで効率的にそれなりの姿勢を作ってから、 FKでブラッシュアップして姿勢の質を上げていくのがおすすめです。

アニメーション作成で知っておくと便利な、 IKの基礎知識について、 以下のページでもう少し詳しく説明しています。

興味があれば、合わせてご覧ください。

3DCGアニメーションで役立つ!IKの基礎知識

アニメーション作成で参考になるサイト

さて、このIK、FKをじっさいにどのように使うことで、 姿勢を作ることができるのか、 については、プロの3DCGアニメーターの動画やブログを見るのが一番です。

Mayaを使ったアニメーション作成は、 Autodeskの日本メディアを運営しているAREA JAPANが 動画で解説しています。

ゼロから始めるMAYAアニメーション・AREA JAPAN公式YouTube

また、3DCGアニメーション制作の会社である「株式会社モックス」 が載せている動画もとてもわかりやすいです。

現場で使うプロのノウハウが詰まった、 初心者向けのチュートリアル動画になっています。

私は、何度も何度も繰り返し見て勉強させてもらっています。

普通の歩きのメイキング動画・mox-motion公式YouTube

チュートリアル・株式会社モックス公式

IK、FKができるソフトは?

IK、FKでアニメーション作成ができるソフトは いくつかありますが、そのなかでも有名なのは 次の6つになります。

  • Maya
  • 3dsMax
  • MotionBuilder
  • Cinema4D
  • Shade3D
  • Blender

Maya、3dsMax、MotionBuilderはAutodeskが販売するの3DCGソフトです。 Maya、3dsMaxは汎用的な3DCGソフトで、 マウスを使って一からすべてマウス操作で姿勢を作る「手付けアニメーション」が得意なソフトです。 一方でMotionBuilderはモーションキャプチャーデータを使って アニメーション作成をするのが得意な3DCGソフトです。

MotionBuilderの概要は 「初心者向け!MotionBuilderでできることはコレ」 でも解説していますが、IKとFKはモーションキャプチャーデータの 修正のときに使われるのが一般的です。

じっさいにどのようにモーションキャプチャーを使ってIKとFKで修正するのかについては、 「mocopiのBVHをモーションビルダーで編集する方法」 で解説しています。 興味があれば、こちらも合わせてご覧ください。

Cinema4DはMAXONが販売元の汎用3DCGソフトです。 アニメーション作成も可能です。 こちらもIK、FK機能が搭載されています。

Shade3Dは国内メーカーのフォーラムエイトが開発している 汎用3DCGソフトです。 アニメーション作成も可能で、IK、FK機能が搭載されています。 他の3DCGソフトと比べると価格も安く、 さらに多機能なためコスパが良いソフトで有名です。

最後にBlenderですが、誰でも無償で使える汎用3DCGソフトです。 アニメーション作成も可能で、IK、FK機能が付いています。

ユーザー数も多いため、WEBを検索すれば BlenderでのIK、FKの使い方などはすぐに見つかるのが大きなメリットです。

ソフトの価格

各ソフトの価格について、少し解説します。

アニメーション業界で多く使われている 「Maya」「3dsMax」「MotionBuilder」の価格は、正直、かなり高価なソフトウェアです。 商用利用するためには、年間で30万円程度かかります。

ただ、学生の場合は 無償で使うことができます。

高校生、大学生、専門学生の在学中であれば、 申請後、1年間無償で使えます。 さらに更新手続きをして審査が通れば、 在学中は2年目、3年目と使うことも可能です。

もし、あなたが学生でならば、ぜひ使ってみることをおすすめします。

学習目的の社会人や、 年商1000万円以下の中小企業の商用利用では、 「Maya Indie」「3ds Max Indie」という機能制限版の低価格ライセンスが使えます。

各ソフトのライセンスについては、 別のページで詳しく説明しています。 興味があればそちらもあわせてご覧ください。

個人向け・Mayaの価格はコレ!

3dsMaxの価格を解説!お得に買うならこのプラン

MotionBuilderの価格を解説!お得に買うならこのプラン

IKの歴史とそのほかの技術

最後に少し雑談を。

IKは、最近のアニメーション作成ソフトでは、 普通に実装させれるようになりましたが、一昔前はかなり貴重な機能でした。

2000年くらいまで、ロボット工学の研究者がアニメーション作成についての研究を いくつか出していました。 企業がその成果を取り入れて効率的にアニメーション作成できるツールを開発して、 いまのIK機能になっていきました。

MotionBuilderがHumanIKを取り入れたのも、このころでしょうか。 研究者の成果物をどんどん市販のソフトに組み込み、 実用化をしていきました。

さて、話は変わってIKのほかにもシミュレーションで動きを作る手法があったりします。 それがFDです。フォワードダイナミクス(Forward Dynamics)の略で、 日本語では順動力学といいます。

FDとは、 一言でいうと 「身体の部位に外力を加えて動きを生成する」というシミュレーション技術です。

例えば、お腹に大きな力を加えると 人が吹っ飛ぶというようなイメージを持っていただければと思います。

こちらもロボット工学ではよく使われるシミュレーション手法で、 今もなお研究が続けられています。

CAEソフトでは、有限要素解析と組合わせて使われることがあります。 有限要素法では、物質がどのような速度で衝撃を加えたかで、 その物質にかかる外力を推定します。 その推定した外力が物質にかかることで、 どのような動きになるかをFDで推定します。 3DCADやCAEでは、このようにソフトに実装されていて、 実用化されています。

3DCGソフトも将来的には、 FDのような「力を加えるとどんな動きになるかを計算する機能」が アニメーションソフトにも実装される日が来るのではないか…と、 夢見ている今日この頃です。

まとめ

「IKとFKの違いってなに?アニメーション初心者向け」 についてのまとめです。

IKは直感的に手足を引っ張って、 姿勢を作っていくことができる機能。

FKは一つ一つの関節の角度を変えて、 姿勢を作っていく機能。

IKとFKの両方使ってアニメーションを作るが、 一般的にFKを使う割合の方が多い。

IKは精度に問題があるため、大まかな姿勢をIKで作ってから FKで修正すると、人らしい動きのアニメーションを作りやすい。

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