なぜ3DCG制作ではMacが選ばれないのか?
こんなことが知りたい
「なぜ、Macは3DCG制作であまり使われないの?」
「3DCGパソコンはWindowsが向いているのはなぜ?」
ここでは、Mayaなどの3DCG用パソコンをMacにするか検討している方に向けて 「3DCG制作ではWindowsとMacどちらが向いているか」 を解説していきます。
結論から先に話すと 「3DCG制作ではWindowsパソコンの方が向いています。」
なぜなのか?その理由について、ここから解説していきます。
目次
- 3DCGパソコンでMacが選ばれない3つの理由
- 就職先の会社でMacを使っていない
- 新しい機種が出た時に3DCGソフトの対応が遅い
- 3DCGソフトの認定ハードウェアではない
- モーションキャプチャーもWindowsが主流
- まとめ
3DCGパソコンでMacが選ばれない3つの理由
3DCGパソコンは、なぜWindowsが向いているのか?というと、 主にこの3つの理由があるからです。
- 就職先の会社でMacを使っていない
- 新しい機種が出た時に3DCGソフトの対応が遅い
- Macは3DCGソフトの認定ハードウェアではない
Macが選ばれない理由は、 「いまの3DCG業界でのワークフローがWindowsになっていること」と 「3DCGソフトの対応が不足していること」がおおまかな理由です。
決してMacのスペックが低いからではないのです。
3DCG業界はゲーム制作や映像コンテンツ、 企業の製品デザイン、建築デザインがおもな職種です。 これら仕事のワークフローに組み込まれているのがWindows中心のシステムなのです。
クリエイティブな仕事では、 Macが使われているという印象が強いです。 しかし、それは広告宣伝やグラフィックデザイン、2DCAD建築設計が主流なのです。
つまり、Macは2Dが多いのですね。
また、Appleと3DCGソフト会社との連携不足の問題で、 サポートが後手に回ってしまうことがあります。
そういう背景もあって、なかなかMacを選ぶ人が増えないのですね。 Macはいいパソコンなのですが、まだ3DCG業界には浸透していないのが現状です。
就職先の会社でMacを使っていない
Macが選ばれない3つの理由の1つ目は、 「就職先の会社でMacを使っていない」からです。
3DCGを習得する目的は「仕事で使うため」ですよね。 3DCG制作の仕事をするために学んでいるわけです。
就職先の会社が採用しているパソコンのほとんどがWindowsなのが現状です。 ということは、3DCGを学習する時もWindowsパソコンの方が有利に決まっています。
わざわざMacの操作スキルを上げる必要はないのです。
だから、Macが選ばれづらいのですね。
ただ、建築設計関係では、 MacでAutoCADやVectorworksといった3DCADソフトを使っている会社もあります。
そこでは、そのCADデータから広告宣伝用に 3DCGソフトで建築モデリングをすることもあります。 お客様に見栄えのいい映像を作るわけですね。
業種によってはMacを使うのが有利なところもあります。
しかし、Macを使う会社の方が稀なので、 新しく3DCG用にパソコンを検討しているならばWindowsの方がおすすめです。
新しい機種が出た時に3DCGソフトの対応が遅い
Macが選ばれない3つの理由の2つ目は、 「Macの新しい機種が出ても3DCGソフトの対応が遅い」からです。
例えば、Apple M1チップを搭載しているMacbook Proでは、 販売から一年以上過ぎてもMayaなどでエラーが発生することがあります。
そのたびにAutodeskサポートが解決策を出したり、 修正パッチを出したりしています。 例えば、Mayaが起動しない解決策のページはこちらです。
macOSではMayaは起動しません・Autodesk公式サイト
Autodeskのようにすぐに対応できる会社は問題ありません。 しかし、他の3DCGソフトはすぐに対応ができないかもしれません。
そうなったときに、トラブルシュートに多大な時間コストがかかります。
無駄な時間が取られるというリスクがあるので、 Macが選ばれづらいわけですね。
3DCGソフトの認定ハードウェアではない
Macが選ばれない3つの理由の3つ目は、 「Macは3DCGソフトの認定ハードウェアではない」からです。
3DCGの大手であるAutodeskのMayaは、 NVIDIAとAMDのグラフィックスを「認定ハードウェア」としています。
認定ハードウェアとはつまり 「この種類のグラフィックボードであれば動作保証します」という いわばお墨付きのハードウェアのことです。
MacはApple M1チップに変わってから、 NVIDIAやAMDのグラフィックスではなくなりました。
つまり、最新のM1チップを搭載しているMacは 「認定ハードウェアではない」というわけですね。
今後、Macの認定ハードウェアが出てくる可能性はありますが、 やはりここも対応がWindowsパソコンと比べると遅いわけです。
このようなサポート上のリスクがあるという理由で、 Macが選ばれづらいことがあるのです。
モーションキャプチャーもWindowsが主流
3DCGのアニメーション作成でよく使われる 「モーションキャプチャー」のシステムがWindows主流であることも 3DCGでMacが嫌煙されがちの要因の一つです。
Vicon、Optitrack、XSense MVNといった主要モーションキャプチャーシステムは、 すべてWindows対応のみになっています。
ポストプロセス処理というデータのクリーニングは、 モーションキャプチャーシステムのソフトでしますので、 Windowsになります。
そのデータをMotionBuilder、Maya、3dsMaxに持っていき、 アニメーションを作成します。 このデータの流れから、 モーションキャプチャーのソフトと3DCGソフトが 同じパソコンにインストールされている方が効率がいいわけですね。
モーションキャプチャーデータに不備があった場合は、 一度、モーションキャプチャーのソフトに戻らなければいけません。 そのとき、WindowsとMacの2台使っていた場合 作業効率が悪くなるわけです。
こういうモーションキャプチャーシステムの仕様からも 3DCGでMacが選ばれない要因のひとつになっています。
3DCG制作におすすめのパソコン
当サイトでは 3DCG作成向けにおすすめのパソコンも紹介しています。
パソコンメーカー別に ローエンドからハイエンドまでのノートパソコンと デスクトップパソコンを提案しています。
3DCG用のパソコンをお探しの方は、 そちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。
まとめ
「3DCGパソコンでMacが選ばれない3つの理由」 についてのまとめです。
3DCG業界では、MacではなくWindowsパソコンが主流になっている。
Macが選ばれづらい理由は3つある。 「就職先の会社でMacを使っていない」「新しい機種が出た時に3DCGソフトの対応が遅い」 「Macは3DCGソフトの認定ハードウェアではない」
3DCG習得の目的は、仕事で使うことが多いので、 会社でWindowsを使っている比率が高ければ、 それに合わせてWindowsパソコンでスキルを磨いた方が有利。 そのためMacは選ばれづらい。
Macの新しい機種がでたときに 3DCGソフトとの連携不足が問題で不具合なく安定して使えるまで 少し時間がかかる。 そのリスクがあるためMacが選ばれづらい。
Macは動作保証済みのNVIDIAやAMDをグラフィクスに採用していないため、 不具合リスクがNVIDIA、AMDを搭載したWindowsパソコンと比べて高い。 そのリスクがあるため選ばれづらい。
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