社会人向け!3DCGオンラインスクールの選び方

社会人がオンラインスクールを選ぶときのコツや注意点を解説

社会人向け、3DCGオンラインスクールの選び方

こんなことが知りたい

オンラインスクールの選び方は?

独学、通学、オンラインスクールどれがいい?

おすすめのオンラインスクールは?

ここでは、3DCGクリエイターを目指す社会人に向けて 「オンラインスクール選びのポイント」と 「おすすめオンラインスクール」を解説しています。

「オンラインスクール選びで気を付けることは?」 「会社は辞めてもいい?」 「オンラインスクールを受講するには何が必要?」 と、スクール選びで悩みがちなことをピックアップして 解説しています。

あなたのスクール選びのお手伝いができれば幸いです。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

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目次

3DCGオンラインスクール選びのポイント

オンラインスクールは対面方式のスクールと比べると価格は安いですが、 それでも数十万円かかるのが現状です。

そのお金に見合ったオンラインスクールを選ぶためには、 つぎの3つのポイントを考慮しながら 選定していくのが重要です。

  • 就職サポートのあるスクールを選ぶ
  • 受講期間は8カ月以上がおすすめ
  • 価格だけで決めない

オンラインスクールを受ける最大のメリットと言ってもいいのが 就職サポートがあることです。 制作会社とのコネクションがあるスクールを選ぶことで 就職できる確率も上がります。

3DCG初心者がオンラインスクールを受講期間は、 8カ月以上が妥当です。 基本的に3DCGでそれなりの作品が作れるようになるまでには 時間がかかります。

安くて短期間のオンラインスクールを活用するのは、 かなり難易度が高くなります。 コスパはいいですが、就職につながらなければ満足度が低くなります。

各ポイントについて もう少し詳しく説明していきます。

就職サポートのあるスクールを選ぶ

オンラインスクール選びのポイントの一つ目が 「就職サポートがあるスクールを選ぶこと」です。

オンラインスクールに入る最大のメリットと言ってもいいのが この「就職サポート」です。

なぜ就職サポートがあるオンラインスクールがおすすめなのか? その理由は 「3DCG未経験の社会人が3DCG業界に転職するのは難易度が高いから」 です。

例えば、 キャラクターや背景を作る3DCGモデラーとして働きたいとしても、 3DCG歴1年未満のスキルで作れるキャラクターのクオリティはたかが知れています。

そのため、あなたの実力だけで働き口を見つけるのは かなり難易度が高いのです。

しかし、オンラインスクールの就職サポートがあれば、 「3DCG業界の就活のノウハウ」や「働き口のコネクション」を活用して 転職の確率を上げることができるのです。

業界未経験の就職では、 あなたにどれだけポテンシャルがあるかや、 どれだけ誠実に働いてくれるか、 などが見られます。

それをオンラインスクール経由でアピールできれば、 就職の確率も大きく上がります。

こういう理由から 就職サポートがあるオンラインスクールを選ぶことが重要です。

受講期間は8カ月以上がおすすめ

オンラインスクール選びのポイントの二つ目が 「受講期間は8カ月以上がおすすめ」です。

オンラインスクールの受講期間が8カ月以上がおすすめの理由は、 「働きながらスキルを身に付けるのは時間がかかるため」 です。

例えば、 会社から帰ってきて毎日1時間、週末に10時間3DCGを触ったとしても、 1ケ月で約70時間しか学習できません。 専門職が初心者を脱する期間は、おおよそ600時間と言われています。

働きながら、この時間に到達できるのが8カ月以上になるのです。 こういう理由から、 受講期間は8カ月以上がおすすめです。

余談ですが、 語学習得やプログラミング習得についても同じような時間が必要になります。 さらに、中級者と呼ばれるようになるまでには 「1000時間」が妥当と言われています。

また、小中学校の年間授業時間数も 約1000時間に設定されています。

このように、 未経験のスキルを習得するためには、 相応の時間がかかることを頭の片隅に入れておくことが重要です。

価格だけで決めない

オンラインスクール選びのポイントの三つ目が 「価格だけで決めないこと」です。

価格が安いオンラインスクールは、 短期間である場合が多いため、 社会人にとって、時間的余裕がなくなってしまうことがあります。

例えば、 3ケ月で500時間3DCGに触れる機会を作るには、 1ケ月で166時間費やす必要があります。 これは毎日5時間以上3DCGに向き合うことになります。

オンラインスクールの授業数は週数時間程度なので、 残りの時間を自己学習にあてないと 作品を作るレベルにまでスキルが到達しません。

もちろん、高いモチベーションを保ち、 毎日やり続けて就職までいける方もいますが、 そういう才能を持ち合わせているのは ごく一部です。

私のおすすめとしては、 あなたが無理をしないでできる期間のスクールを選ぶことです。

社会人として働きながら3DCG業界を目指すなら、 最低でも8カ月以上の受講をおすすめします。

その理由は 「短期間に詰め込みすぎると挫折する確率が高いため」です。

せっかくお金を払っても、 途中で挫折してしまったら意味がありません。

ぜひとも、 無理のないスケジュールが組める オンラインスクールを選んでください。

独学とオンラインスクールどちらがいい?

Mayaで女性をモデリング

「独学とオンラインスクールは、どちらがいいか?」 は、とても悩みどころです。

独学とオンラインスクールはどちらも 一長一短がありますので、 一概には決められませんが、つぎのようなことが言えます。

独学が向いているのは、 「お金を節約したくて、1年から2年程度かけて 3DCG業界に転職したい人」です。

独学は、3DCGの入門書を選ぶところから、 学びたい3DCGソフトの選択まですべて自分で準備します。 わからないことがあれば、自分で調べて自分で解決する必要があります。 そのため、スキル習得には時間がかかります。

ただしその分、 学習にかけるお金は最低限のもので済みます。 お金を使うのは教材、ソフト、パソコンだけでいいわけです。

このように、 就職までの道のりを中長期で考え、 投資予算をできるだけ抑えたい方には 独学が最適でしょう。

オンラインスクールが向いているのは 「お金をかけてもいいので、 効率的に、できるだけ早くスキルを身に付けたい人」 です。

オンラインスクールは、 3DCG学習のノウハウがあるため、 最短の道を通りながらスキルを身につけることができます。

例えば、 独学の場合、なにから始めればわからない状態でスタートするため、 軌道に乗るまで時間がかかってしまいます。 しかし、オンラインスクールでは、 「どの順番で どの内容を学んでいけば、 この期間までに作品が作れるようになる」 というノウハウを持っています。

そのため、 効率的に最短ルートで基礎を学ぶことができます。

これは、老舗のスクールであるほど経験値が豊富で、 ノウハウの質も高くなります。

このように、 お金を投資してでも、 できるだけ早く3DCG業界で働きたい方には オンラインスクールが適しています。

通学とオンラインスクールどちらがいい?

「対面形式のスクールとオンラインスクールは どちらがいいか?」と、 悩んでいる方も少なくありません。

私のおすすめとしては、 対面形式のスクールに通うことができれば対面形式がベストです。

なぜなら、 「対面形式のスクールの方が質問もしやすいし、 講師やスクール生とのコミュニティも形成しやすいため」 です。

例えば、 対面形式のスクールであれば、わからないことがあれば 授業中もしくは、授業後にすぐ口頭で聞くこともできるので すぐに問題が解決します。

また、先生や生徒と話す機会もできるので、 情報交換もしやすいです。 オンラインだと情報交換の壁があり、 控えてしまう傾向にあります。

こういう理由から、 対面形式のスクールに通えるのであれば、 オンラインスクールよりも対面形式スクールがおすすめです。

ただ、 社会人だと、 会社に通いながら対面形式スクールに通うのは、 かなりのバイタリティを持った方でないと難しい傾向にあります。

また、働いていると時間的な都合もあるでしょう。 出張や残業で授業に出れないこともあるでしょう。

そして、オンラインスクールと比べると、 対面形式スクールは授業料も高くなる傾向にあります。

このことから、 会社で働きながら無理せず通えるのはオンラインスクールと 言ってもいいでしょう。

メリットデメリットをしっかり認識して、 あなたに合っているのが オンラインなのか、対面なのかをじっくり検討してみてください。

おすすめオンラインスクール

オンラインコース

3DCG向けのオンラインスクールはいくつかありますが、 そのなかでもおすすめしたいのが つぎのスクールです。

  • デジハリ・オンラインスクール
  • Alchemy

どちらも老舗の3DCGスクールで、 対面式とオンラインスクールの両方のコースが選べます。

各スクールの概要は、 下の表のとおりです。

この表は「2024年3月現在」の情報です。

価格 コース 就職サポート
デジハリ・オンラインスクール
  • ¥355,300
期間8か月
  • 3DCG総合コース
Mayaまたは3ds Max基礎と映像編集
あり
Alchemy
  • ¥190,000
期間4か月
  • 3DCGオンラインコース1xx・未経験者向け
  • 3DCGオンラインコース2xx・初心者向け
  • 3DCGオンラインコース3xx・作品制作
各コース4か月
あり

デジハリ・オンラインスクールの未経験者向け オンラインコースは、 8カ月が基本です。

Alchemyの未経験者から初心者向けコースは、 3つのコースに分かれています。 各コースは4カ月あり、 3つすべてのコースを受ける場合は12カ月になり、 価格も各コースごとに払います。

デジハリ・オンラインスクール

デジハリ・オンラインスクール

価格
  • ¥355,300
コース
  • 3DCG総合コース

Mayaか3ds Maxのいずれかを選べます。 基本操作と映像編集までのコースです。

期間
  • 8か月
就職サポート

就活で使うポートフォリオ作成のサポートや、 独自の生徒専用の仕事探しサイト運営しています。

デジハリ・オンラインスクールは、 老舗の3DCGスクールでMayaまたは3ds Maxの基礎から作品制作まで学べる 完全オンラインスクールです。

受講期間に対して価格も安く、 さらにAutodeskの認定校になっているので デジハリ・オンラインスクールの学生になるとMaya、3ds Maxの アカデミック版が適用になり無償で使えます。

デジハリ・オンラインスクールの特長として、 「手厚い就職サポートを受けることができる」 というメリットがあります。

各業界ごとの就活の仕方はもちろんですが、 デジハリ・オンラインスクール生専用の仕事探しサイト を使って、 仕事探しをすることができます。

社会人の方が3DCG業界へ転職するときに デジハリ・オンラインスクールを選ぶことも多いのは、 就職サポートが手厚いためです。

デジハリ・オンラインスクールの詳細を見る

Alchemy

Alchemy

価格
  • ¥190,000

1コースあたりの価格です

3コースすべて受講で570,000円です

コース
  • 3DCGオンラインコース1xx・未経験者向け
  • 3DCGオンラインコース2xx・初心者向け
  • 3DCGオンラインコース3xx・作品制作
期間
  • 4か月

各コース4か月です

就職サポート

講座終了後のサポート期間で ポートフォリオ作成をサポートしています。

Alchemyのオンラインコースは、 基本的に1年かけて3コースを受講して、 作品が作れるようになるスキルが身に付くカリキュラムです。

Mayaを使ったモデリング、アニメーション、レンダリングの基本操作から、 じっさいに1作品を作るまでが3コースに含まれています。

Mayaのライセンスは、 学生版を使うことができるので無償になります。

就職サポートは、就職先企業の一覧を教えてもらえるのと、 就活で必要なポートフォリオ作成までをサポートしてくれます。

Alchemyは、 CGプロダクションの株式会社N-DESIGNがグループ会社です。 じっさいの現場の仕事を教える特別講義もイベントとして開かれます。

Alchemyの詳細を見る

オンラインスクールに必要なもの

オンラインスクールで受講するにあたって、 3DCG作成に必要な機材を準備する必要があります。

基本的には以下のものが必要になります。

  • パソコン
  • 3DCGソフト
  • 画像処理ソフト

3DCGソフトが動くスペックの パソコンは自分で購入して準備する必要があります。

3DCGソフトも事前にインストールしますが、 オンラインスクールに通えば、 多くの場合、無償の学生版ライセンスを使うことができます。

3Dモデルに貼り付けるための「テクスチャ」画像を作成するためのソフト を自分で購入して準備する必要があります。

パソコン

オンラインスクールでは、 あなた自身で「3DCGが快適に動くスペックのパソコン」を 準備する必要があります。

受講したいコースで使う3DCGソフトの 推奨スペックを満たしているパソコンが必須です。

オンラインスクールでは 「基本操作」のほかに、 じっさいに3D作品を作る「ポートフォリオ作成」までが カリキュラムに含まれています。

作品を作るにあたっては、 ギリギリ動作するスペックのパソコンだと動きが遅くなることもあるので、 できるだけ「推奨スペック」を選ぶことがおすすめです。

例えば、 受講したいコースがMayaであれば、 Maya推奨スペックのパソコンを準備します。 3dsMaxを習得したいのであれば3dsMax推奨スペックのパソコンを準備します。

パソコンは、将来、あなたの仕事道具になるので、 しっかり予算をかけて 快適に動くパソコンを準備してください。

Maya、3dsMax、Blenderの推奨スペックパソコンの選び方については、 別のページでまとめています。 よかったらそちらも合わせてご覧ください。

Mayaの推奨スペックはコレ!失敗しないパソコンの選び方

3dsMaxの推奨スペックと失敗しないパソコンの選び方

Blender推奨スペックはコレ!おすすめパソコン10選

3DCGソフト

続いては3DCGソフトです。 こちらも受講前に自分で準備をするスクールが多いです。

オンラインスクールで使う3DCGソフトは Maya、3dsMaxが基本です。 そのため、受講前にライセンスを手に入れて、 Maya、3dsMaxをパソコンにインストールしておく必要があります。

ただ、 Maya、3dsMaxは有償の3DCGソフトですが、 Autodeskの認可を受けているオンラインスクールであれば、 無償で使える学生ライセンスが使えます。

もし、通う予定のオンラインスクールで 学生ライセンスが使えるかどうかわからなければ、 スクールに入る前に問い合わせるのがおすすめです。

Autodeskに認可を受けていないオンラインスクールの場合は、 あなた自身でライセンスを購入して 準備することになります。

その場合は、 価格の安い 「Maya Indie」 もしくは「3dsMax Indie」 がいいでしょう。 教育目的であれば低価格でライセンスを手に入れることができます。

画像処理ソフト

3DCGモデルの質感を表現するために使う 「テクスチャ」と呼ばれる画像ファイルを作るために 画像処理ソフトが必要になります。

オンラインスクールでよく使われるのは、 「Photoshop」「Substance Painter」「MARI」があります。

スクールごとにカリキュラムのなかで、 どの画像処理ソフトを使うかが決まっています。 しっかり授業内容を確認してから購入してください。

画像処理ソフトは、基本的に有償です。 「Photoshop」「Substance Painter」「MARI」には 学生ライセンスがないため、 自費でライセンスを購入します。

会社を辞めるリスク

社会人になってから3DCG業界への就職を目指す方は とても多くいます。

20代だけではなく、 30代になってから目指す人が多いのも この業界の特徴です。

さて、新しい業界を目指すのだから 「集中と選択」で、今勤めている会社を辞め、 スクール一本でクリエイターになろうと考えている方も少なくありません。

しかし、 会社は辞めずに今の仕事と並行して3DCGを学び、 スキルを習得するのがおすすめです。

なぜ会社を辞めないほうがいいのか? その理由は 「お金が減っていくと気持ちに余裕がなくなり、挫折しやすくなるため」 です。

例えば、 オンラインスクールのカリキュラムは、 8カ月から12カ月と長めの期間に設定されています。 就職でPRするための作品を作り終わるのも 卒業間近になるでしょう。

つまり、最低でも就職まで約1年かかります。 会社を辞めてしまった場合、 この1年間を貯金のみで生活していけなければなりません。

貯金のみの生活だと、 食費も気にしなければいけないし、 外出も控えなければいけません。 これはかなりのストレスになります。

スキルというのは、 「中長期の習慣」で得ることができるため、 毎日のモチベーション維持がとても重要になってくるのです。

そんななかで 「お金の心配」はかなりのストレスになるため、 モチベーション維持にも悪影響を及ぼすでしょう。

こういう理由からも 会社は辞めずに、 いまの仕事と並行しながら3DCGスキルを習得することをおすすめしています。

私の友人クリエイターの話

最後に、 私の高校のころの友達と飲みに行った時に出た話題を 少し書いていこうと思います。

私の友人は 高校卒業後に3DCGの専門学校に入学して、 そのままCGデザイナーになりました。 専門学校の紹介で入った会社で 3DCGモデラーとして働いています。

そんな友人と仕事終わりに 新橋の居酒屋で飲んでいた時の話ですが、 「最近、オンラインスクール卒の30代を採用することが多くなった」 と言っていました。

コロナ渦に入る前は、 基本的に「専門学校卒」が一般的で、 採用側も新卒枠を重視していたみたいです。

30代といえば、 即戦力で雇う以外は割と少なかったようです。

しかし、ここ最近ではVTuberやらVRサービスやらで 3DCGの需要が高くなり、 業界未経験者でも入りやすくなっているという話でした。

じっさい、 2023年以降、国の戦略でもVRなどの仮想現実と 現実世界を仲介するインターバースと呼ばれる領域の開発を進めています。

例えば、 国の研究機関である産業技術総合研究所が インターバース技術の研究開発に取り組んでいます。

また、大手企業がメタバースに投資をしている例もあります。 例えば、株式会社HIKKY が手がける「バーチャルマーケット」にも 多くの企業が出展しています。

国や企業がお金を投資しているVRには、 3DCGが必須になってきます。 こういう背景からも3DCGモデラーの需要が 今後さらに増えると予想されます。

じっさい、 予想されていた需要が 友人の話だとすでに現場での採用にも現れ始めているわけです。

こういう背景もあり、 3DCG業界が急成長しているのだな、と 感じました。

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