30代社会人から独学で3DCGデザイナーになるのに必要な3つのこと

社会人が独学で3DCG業界へ転職するのに必要なこと

30代社会人が3DCG業界へ就職

こんなことが知りたい

3DCG未経験の社会人が3DCGデザイナーになるために必要なことは?

ここでは、30代の社会人で未経験だけど3DCG業界へ転職をしようと考えている方に向けて 「3DCG未経験が3DCGデザイナーになるために必要なこと」を解説しています。

私は仕事上、よくお客さんから就職に関しての質問をいただくことがあります。

例えば、30歳の2DCADエンジニアの方から、 「3Dの建築CGパースを作る仕事に就きたいけど、今からでも間に合うかな?」 という質問をいただいた経験がありました。

2DCADで図面を作成するのと、3DCGの建築パースは全く別物で、 ほぼ未経験者と言っても良いでしょう。

質問に対する私の個人的な回答は 「やる気があればいつからでも間に合います」です。

では「転職を実現するために何をすればいいか?」 そのときに話した内容を含めて、ここから解説していきたいと思います。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

詳しい紹介はこちら 「自己紹介」

目次

3DCG習得の目的と目標を明確にする

まず、3DCGを独学するにあたって、 「目的と目標」を明確にする必要があります。

いやいや、当たり前じゃない!と思うかもしれませんが、 意外に目的と目標が曖昧な人も少なくありません。

一般的に、「目的は果たすべきこと」で、 「目標は具体的な数値とアクション」になります。

例えば、「独学をして3DCGデザイナーになる」ことの目的は、 こんな感じになる人も多いのではないでしょうか。

例:ゲーム業界

目的 ゲーム会社でモデラーになる
目標
  • 半年でMayaの基礎を習得する
  • 1年以内に就職PR用のキャラクターを作る
  • 1年以内にゲーム会社に就職する

例:建築業界

目的 建築CGパースのフリーランスになる
目標
  • 半年で3ds Maxの基礎を習得する
  • 1年以内にPR用の「レストラン内装」を作る
  • 1年以内にデザイン会社に就職する
  • 3年以内に独立して月20円以上稼ぐ

目的と目標が具体的であればあるほど、 3DCG習得の意味が明確になります。

「自分はどういうところに向かって、 どういうアクションを取れば、3DCGデザイナーになれるか」 これを明確にするのが目的と目標なのです。

3DCGの独学を始める前に、 目的と目標をしっかり決めて3DCG習得に臨んでください。

この目的と目標が曖昧だと、どうしても挫折しやすくなります。

独学で3DCGデザイナーになるために必要な3つのこと

3DCG未経験の社会人が独学して就職するのに 必要な3つのことをピックアップします。

  • 時間とお金を投資する
  • 会社は辞めない
  • 学習する環境を作る

なるべく効率的にリスクを低くして転職に挑むためには、 この3つのことが必要になってきます。

私が対応しているお客さんで、 3DCG業界への転職に成功している人たちは、 この3つを必ず実行していました。

時間とお金を投資する

まず1つ目は、 「3DCGスキルの習得に時間とお金を惜しみなく投資すること」です。

「え?独学ってお金を節約できるんじゃないの?」と思いがちですが、 独学でも3DCG習得にはそれなりにお金がかかります。

少なくとも3DCG独学にはおおよそ25万円~55万円のお金が必要になります。

最低限必要なものとしては、 「パソコン、3DCGソフトライセンス、書籍」です。

これらを合わせると、Maya、3ds Maxでは50万円強かかります。 Blenderはソフトライセンスが無償ですが、それでも25万円くらいは必要になります。

独学に必要なものの詳細は、 別のページでまとめていますので、 興味のある方はそちらも合わせてごらんください。

初心者向け!Mayaの独学に必要なものはコレ

3ds Maxで建築パースの独学に必要な4つのアイテム

お金の投資はもちろんですが、時間の投資も必須になります。

3DCG未経験の人が、週に20時間くらいスキル習得に時間を投資しても、 作品を作れるようになるまでに10か月以上かかる と思った方がいいでしょう。

どんな分野においても人は、しっかりしたスキルを習得するのに 約1000時間かかると言われています。

例えば、プログラミングや英語の習得でも1000時間が 基本となっていることが多いです。 3DCGも例外ではありません。

私は仕事で3DCADのトレーニングをすることがありますが、 一般的に仕事で何かを作れるようになるまでに10か月~1年程度かかっています。

つまり、3DCG学習にどれだけ時間を投資するかで、 目標達成までの期間が決まってくるというわけですね。

会社は辞めない

2つ目としては、 「今現在勤めている会社は辞めないこと」です。

理由としては、 「独学にお金がかかるため」と 「精神的余裕がなくなるため」です。

3DCGの学習はお金がかかります。 会社を辞めてしまうと収入がなくなるため、 追加で教材を買いたいときに、投資ができないリスクがあります。

例えば、ステップアップのために中級者向けの参考書や有料動画コンテンツを 購入したいけど、もう貯金が少なくてためらってしまう、 ということもあります。

お金が心配で教材費への投資をためらってしまえば、 それだけ目標達成までの道のりが遠くなるわけですね。

また、収入が少ない状態で暮らしていくと どうしても精神的余裕がなくなってしまいます。

いつもお金の心配をしてしまって、 「あとどれだけ独学すれば就職できるのだろうか・・・」 という心理状態になりがちです。 つまり、収入がないと心が追い詰められるリスクが大きくなるわけですね。

効率よく独学するためには、 転職先が決まるまで会社を辞めないことがおすすめです。

学習する環境を作る

3つ目が「3DCGを習得するための環境を作る」です。

環境とは、「学習の道具」と「学習の習慣」の二つを指します。

道具に関しては、「パソコン、ソフトライセンス、教材」があります。

環境を作るうえで重要なのは、パソコンです。 「3DCGソフトが最低限動くパソコン」ではなく、 「3DCGソフトの推奨スペックパソコン」を選ぶことが重要です。 3DCGを快適に動かすためのパソコンは、妥協しないでください。

就職でPRする作品を作るためには、推奨スペックパソコンが必須になります。 もし、スペックが不足してしまうと3DCGソフトの動作が遅くなり、 作品作りに支障が出てきてしまいます。

つまり、習得したスキルを存分に発揮して効率的に作品を作るには、 相応のパソコンが必要になるわけですね。

3DCG向けパソコンについては、 別のページでまとめていますので、 興味のある方はそちらも合わせてごらんください。

3DモデリングのPCスペック解説!失敗しないパソコン選び

厳選!おすすめ3DCGパソコン10選

そしてもう一つの環境、「学習の習慣」についてです。

「毎日3DCGを学習する習慣を作ること」はとても重要です。 必ず習慣化する仕組みやルーチンを作ってください。

理由は、3DCG学習を仕組み化、ルーチン化をしないと 挫折する可能性が高くなるためです。

じつは「毎日やる気を維持すること」は、とても難しいことです。 いくらやる気があったとしても、必ずモチベーションが落ちる日があります。

そんな「やる気に左右されないように学習を進める方法」として、 ルーチン化があります。

例えば、 「毎日、帰宅してから1時間後にパソコンの前に座り、5分だけソフトを触る」 というルールを決めておきます。

イヤイヤでもいいので、最初は強制的にパソコンの前に座ります。 そして5分だけソフトを触ってみるのです。 そこで気がのらなかったら辞めてもいいです。 これを毎日繰り返します。

そうすると、やる気に関わらず、 「毎日必ずパソコンで5分間ソフトを触る」という習慣ができます。 そうなればもう、独学で挫折する確率はかなり減ってきます。

「5分だけ」というのがミソです。 「5分だけならいいか・・・」という考えになり、 「毎日学習をする」というハードルを下げてくれるわけですね。

ちなみに、5分ソフトに触っていると、自然にやる気が出てきます。 ほとんどの場合、続けて3DCGソフトを操作しだして 長い時間学習するようになります。

このように学習の習慣化に成功すれば、 目標を達成がグンッと近づくでしょう。

未経験者が就職するまでの流れは?

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未経験者が独学で就職するまでの一般的な流れとしては、 こんな感じでしょうか。

基礎スキル習得→作品を作る→ポートフォリオ作成→就活→就職

ポートフォリオとは、「自分の実力がどんなものかを示すパンフレット」 のようなものです。 3DCGデザイナーとして就職するには、必ず必要になると思ってください。

そのポートフォリオに自分で作った作品を使って、 自分の実力をPRするわけですね。

ちなみに、私のお客さんでかなり行動派がいまして、 いったん実績を作ってから就活した人がいました。 その人はこんな流れで就職していました。

基礎スキル習得→作品を作る→ポートフォリオ作成→在宅ワークで実績作り→就活→就職

オンラインの在宅ワークで、 安値でもいいから仕事を引き受けて実績を作っていました。

在宅ワークでも、じっさいに仕事をしたことがあるのとないのでは、 就活の書類選考で通る確率がかなり違うようです。

在宅ワークでは、何度もクライアントから再提出をさせられて、 時給100円を切る…みたいな案件もかなりありました。 しかし、必死に実績を積むために請負っていました。 本当に3DCG業界で働きたかったのでしょうね。

じっさいの企業面接のときに、 この経験を話して、ポテンシャルを感じてもらい 見事に内定をもらっていました。

独学ではなくオンラインスクールという選択肢

3DCGの習得は、独学の他にもオンラインスクールに通うという方法もあります。

「オンラインスクールって高いのでは?」 と考えている方も少なくないと思いますが、 じつは独学でかかる金額とオンラインスクールで学ぶ金額はあまり変わらなかったりします。

例えば、3DCGオンラインスクールに通うことで Mayaや3dsMaxのアカデミック版が使えるようになり、 ライセンス料が無料になることが多いです。

独学と価格を比較してみると、 下の表のようになります。

オンラインスクールと独学の金額比較

独学
  • パソコン 25万円
  • Mayaラインセンス 30万円弱
Mayaは1年サブスク
オンラインスクール
  • パソコン 25万円
  • 授業料 35万円強
受講期間 8か月

オンラインスクールもいくつかあり、 受講期間により金額も変わってきます。

3DCGのオンラインスクールについての詳細は、 別のページでまとめていますので、 興味のある方はそちらも合わせてごらんください。

社会人向け!3DCGオンラインスクールの選び方

3DCGを習得するにもいろいろな選択肢があります。 まずはどんな選択肢があるかを知ってから始めるのが、 あとで後悔しないポイントです。

まとめ

「30代社会人から独学で3DCGデザイナーになるのに必要な3つのこと」 についてのまとめです。

30代で3DCG未経験の社会人が3DCGデザイナーになるためには、 まず目的と目標を明確にする必要がある。

その目的を果たすためには、 3つのことをすることで達成できる確率が上がる。

「3DCG学習に時間とお金を投資する」 「転職するまで会社を辞めない」 「3DCG習得のための環境づくりをする」

3DCG習得に必要な機材と時間を十分に確保する。 3DCG推奨パソコンと、 1000時間の学習時間を確保する。

会社は辞めない。 独学でも機材や教材への投資でお金がかかるため。 収入がないと精神的余裕がなくなるため。

学習環境を整える。 パソコンは3DCGソフトで推奨されているスペックを必ず選ぶ。 学習の習慣はルーチン化をして、やる気に左右されないような方法で 勉強をしていく。

3DCG未経験者が転職をするまでの一般的な流れ。 「基礎スキル習得→作品を作る→ポートフォリオ作成→就活→就職」

独学の他にオンラインスクールに通うという方法もある。 独学でかかるお金とオンラインスクールで学ぶお金は、 数万円程度しかかわらない。

おまけ・就職について私がいつもアドバイスすること

私がいつもアドバイスすることは、 「スキルアップを習慣化してください」です。

3DCG未経験の社会人が3DCG業界への転職するのに必要なことって、 「夢をかなえる」という熱量よりも 「いかに学習を習慣化してスキルアップできるか」だと感じています。

スキルアップのために学習するのが生活の一部になっている人は強いです。 長期間の転職における最大の弱点である「モチベーションの浮き沈み」に 左右されないわけですから。

スキルアップとは具体的には、 「世の中のいい作品に触れること」と 「手を動かしてアウトプットすること」です。

いい作品に触れることでまずはインプットしていきます。 上級者はどういう設定をしているのか、 どういう素材を使っているのか、 どんなツールを使っているのかを肌で感じるわけですね。

そのインプットが終わったら、 次は真似をして作ってみることです。 つまり、アウトプットしてスキルを定着させるわけですね。

一般的にインプット3:アウトプット7が 最も効率よくスキルを定着させる割合だそうです。

このようなスキルアップを習慣化してやることで、 いい作品が作れるようになり、良いポートフォリオが作成できて、 就職に近づくというストーリーです。

あなたもぜひ、試してみてください。 スキルアップの習慣化で3DCGデザイナーになるという目的を果たせると 私個人的に思っています。

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