重要なのはCPU、メモリ、グラフィックス、ストレージ
こんなことが知りたい
「3DCGパソコンで必要な性能って?」
「モデリング、アニメーション作成はどんなパソコンスペックが必要?」
ここでは、3DCG用のパソコンを検討している方に向けて 「パソコンスペックの目安」を解説していきます。
まず、3DCGパソコンで重要なのは、 この4つのスペックになります。
- グラフィックボード
- CPU
- メモリ
- ストレージ
この4つのスペックに注目して説明していきます。
ちなみに、すでに使う3DCGソフトが決まっていれば、 各ソフトの推奨スペックとともにパソコンの選び方を解説していますので、 よかったらそちらを参照してみてください。
目次
3DCGパソコンのグラフィックボード
3DCGパソコンでは、 グラフィックボードはかなり重要なパーツになります。
3DCG作成において「3D表示」が最も時間を費やす機能になります。 つまり、グラフィックボードのスペックが 作業の快適性に直結するのです。
さて、具体的に「どのようなグラフィックボードを選べばいいか?」 について説明していきます。
- NVIDIA GeForce RTXシリーズ
- NVIDIA GeForce GTXシリーズ
- AMD Radeon RXシリーズ
ここで挙げたグラフィックボードのなかでも 各シリーズでグレードごとにいくつか種類があります。 例えばGeForce RTX3090、GTX1650、Radeon RX6800などがあります。
そのシリーズ中でなにを選ぶかについては、 予算と相談する必要があるわけです。
グレードの目安としては、「GPUメモリ」を見てください。 「GPUメモリ」とか「ビデオメモリ」と表記されていることが多いです。
おおまかには「4GBがエントリーモデル」「6GB~8GBがミドルエンドモデル」 「10GB以上がハイエンドモデル」と思っていただけると わかりやすいかと思います。
この中でも私のおすすめは、 ミドルエンドより上のグレードのグラフィックボードです。 つまり、6GB以上のGPUメモリがあるグラフィックボードですね。
理由としては、 ミドルエンド以上のグラフィックボードを選んでおくことで パソコンの寿命が延びるからです。
私の経験では、3~5年くらいはストレスなく快適に動く パソコンとして使用できます。
私は会社でMayaや3ds Maxを使っていますが、 毎年大きなアップデートが必ずあります。 そこで機能追加されるわけですね。
そこでグラフィックボードの性能が低いと、 実用に耐えられないこともたまにあるわけです。 「確かに動くけど遅い…」というようなことがあります。
こういうリスク回避も含めて ミドルエンド以上をおすすめしています。
3DCGパソコンのCPU
CPUは3DCGパソコンで最も重要なパーツになります。
具体的にはワークステーションやゲーミングパソコンで よく使われる以下の種類のCPUがおすすめです。
- Corei7
- Corei9
- Xeon
- Ryzen7
- Ryzen9
このCPUがおすすめな理由は 「3DCGソフトの高い機能を高速に処理するため」と 「グラフィックボードを活かすため」の2つがあります。
3DCGソフトに実装されている機能のなかには シミュレーションをしたり、 最適化をしたりする機能があります。 これら機能はとてもCPU負荷が高いのです。
例えば、アニメーション作成ではIK機能といって、 マウス操作で姿勢を推定する機能があります。 手先を引っ張り、肘や肩、腰など全身の姿勢を推定するので処理が重いのですね。
他にも服の揺れをシミュレーションしたり、 ボールがどう跳ねるかといった物理シミュレーションをすることもあります。
3Dモデリングでは、モデルに貼り付けるテクスチャを最適化する機能もあります。 効率的に貼り付けるために最適化計算をするわけですね。
これらの高機能をストレスなく高速に動かすためには、 それ相応のCPUパワーが必要になります。
正直、一つ一つの機能は性能の低いCPUでも 「一瞬、遅くなった」程度の時間なので、最初はそこまで気にならないのです。
しかし、モデリングやアニメーション作成では 何度も繰り返し同じ機能を連続で使います。 「少し動作が重いかな?」が何回も続くとストレスを感じてきます。
このストレスを感じにくくするのが、 上で紹介したCPUの種類になります。
もうひとつ、 CPU選びで重要なのは「クロック数の高いCPUを選ぶ」 ことです。
同じCorei7でもクロック数が2GHz~4GHzの種類がありますので、 できるだけ高いクロック数を選ぶのがおすすめです。
クロック数が高いとより高速に処理できますので、 快適度が上がるわけですね。
ちなみに、クロック数が高いと価格もかなり上がるので、 そこは予算と相談しながらになるかと思います。
3DCGパソコンのメモリ
メモリは制作する3DCG作品の規模によって スペックを変えるのがいいでしょう。
- 小規模:8GB~16GB
- 中規模:16GB~32GB
- 大規模:32GB以上
例えば、建築3Dモデリングの場合には 小規模は「キッチンの一部」で、中規模は「リビングダイニング」、 大規模「商業施設」のような感じです。
図で表すとこんな感じになるでしょうか。
要素数やマテリアルに貼り付けるテクスチャの解像度によって 多少の違いがありますので、 あくまで目安として考えてください。
大規模は会社で大きな仕事をするときくらいです。 フリーランス、学生、独学をする方でも 「中規模くらいのメモリ16GB~32GBがおすすめ」です。
アニメーション作成でもメモリ消費量が多いです。 1人のキャラクターを10秒動かすアニメーションでも 中規模程度のメモリがおすすめになります。
3DCGパソコンのストレージ
3DCGの制作物は、意外に容量が大きくなりますので 多めの容量にしておくのがおすすめです。
アニメーションや3Dモデルは、 最終的にレンダリングをして高画質の画にするので、 けっこう容量が大きくなるわけですね。
SSDを含めて1TB程度あるとかなり余裕ができます。
「SSD256GB+HDD500GB」や「SSD500GB+HDD500GB」の 構成がおすすめです。
最終的なレンダリングで、 パラメーターを変更して何度も出力して確認することが多々あります。
Mayaでは、プレイブラストという機能で 簡易的にレンダリングをして画を確認したり、 動画を確認したりすることがあります。
何枚も出力して確認するので、 いつの間にか容量が増えていくということもあります。 簡易と言えどもレンダリングをするのでそれなりに容量があります。
出力して必要ないものは消していけばいいのですが、 CG制作中に「ファイルを消す」という余計なことに時間を取られたくないわけですね。
そういう理由もあって、 少し余裕を持たせたストレージ容量にすることをおすすめします。
ちなみに、3DCGソフトの起動を速くするためにSSDは必須ですので、 すべてHDDにするという選択肢はありません。
3DCGのおすすめパソコン
当サイトでは 3DCG作成向けにおすすめのパソコンも紹介しています。
パソコンメーカー別に ローエンドからハイエンドまでのノートパソコンと デスクトップパソコンを提案しています。
3DCG用のパソコンをお探しの方は、 そちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。
まとめ
「初心者向け!3DCGパソコンで重要な4つのスペック」 についてまとめです。
3DCGパソコン選びでは 「グラフィックボード」 「CPU」「メモリ」「ストレージ」のスペックを見ることが重要。
グラフィックボードはGeForceシリーズ、Radeonシリーズの ミドルエンドクラスがおすすめ。
これらグラフィックボードは、 GPUメモリがグレードの目安になる。
ミドルエンド以上を選ぶと、パソコン寿命が延びて 長い間使えるようになるのでおすすめ。
CPUはワークステーションやゲーミングパソコンで使うような グレードがおすすめ。
コア数よりもクロック数が高いCPUを選ぶことが 快適性をあげるポイント。
メモリは作成するCG作品の規模によって選ぶのがポイント。
ストレージはSSDとHDDあわせて1TBくらいがおすすめ。
レンダリングをするとなんだかんだで 知らない間に容量が増えていく。