CADとCGソフトの違い
こんなことが知りたい
「3DCADと3DCGソフトの違いは?」
「同じ3Dソフトだけど、どんな用途で使われる?」
「3DCADと3DCG…使うパソコンで違うはある?」
ここでは、 CADとCGソフトどちらを使おうか迷っている方に向けて 「3DCADソフトと3DCGソフトの用途の違い」を解説しています。
3DCADも3DCGソフトも、同じ3Dモデリングができるソフトウェアですが、 使用目的や使っている業界が全く違います。
その違いについて、 専門用語を使わずに、できる限りわかりやすい言葉で説明していきます。
それでは行きましょう!
目次
3DCADと3DCGの違い!3つのポイント
3DCADと3DCGの違いを説明するには、 「使用目的」と「使っている人」に注目するのが わかりやすいでしょう。
それを踏まえて、ポイントを3つにすると こんな感じになります。
- 3DCADは設計で3DCGはデザイン
- 3DCADはモノづくりで3DCGはコンテンツづくり
- 3DCADと3DCGで使うパソコンが全然違う
それぞれのポイントについて解説していきます。
3DCADは設計・3DCGはデザイン
まずは「使用目的」に注目してみると、 「3DCADは設計をすることが目的」で 「3DCGはデザインをすることが目的」になります。
設計とはどういうことは?デザインとはどういうことか? それぞれ説明していきます。
3DCADは設計図をつくるためのソフト
まずは3DCADについてですが、 「3DCADの使用目的は設計図を作ること」です。
3DCADで作った設計図通りに組み立てることで、 じっさいにモノができるわけです。
例えば、カッターの設計図を3DCADで作成することができます。 正確に部品の寸法が入力してあり、 どのように組み立てるか設計されています。
部品の位置、部品の数、部品の素材、部品の寸法が管理されて、 じっさいに組み立てた時に、何か不具合がでないかを確認することができます。
現実世界でプロトタイプ製品を作らなくても、 パソコン上で仮想的に作ってみることができるというわけですね。
まとめると、 「3DCADソフトは設計図を作成して、 成果物を3Dシミュレーションで確認することができるソフト」 ということです。
3DCGはモノをデザインするためのソフト
一方で、「3DCGソフトの使用目的はモノをデザインすること」です。
正確な寸法は必要なく「こんな感じのモノを作りたい」を 形にすることができるわけですね。
例えば、3DCGソフトでコンセプトカーのデザインをすることがあります。 じっさいに動かすことは一旦置いといて、 「10年後にこんなカッコイイ車あったらいいよね!」を3Dで描きます。
正確な寸法は重要ではないので、 見た目をよくするためのツールが豊富に用意されています。
外観をいかにキレイに見せるか、滑らかな曲線を表現できるか、 現実世界のような色表現をどれだけ再現できるか、 といった機能がたくさんあるわけです。
そして、そのデザインしたモノに動きをつけて アニメーションを作成することができるわけです。
つまり 「3DCGソフトは3次元で絵やアニメーションを描くための キャンバスと道具がそろったソフト」 というところでしょうか。
3DCADはモノづくり・3DCGはコンテンツづくり
続いては「使っている人」に注目してみると、 「3DCADはエンジニア」で「3DCGはクリエイター」になります。
業種も絡めながら、それぞれ説明していきます。
3DCADはモノづくりをするエンジニアが使うソフト
3DCADは設計図を作るためのソフトなので、 エンジニアが使います。
例えば、製品設計をしている企業のエンジニアが 3DCADを使ってバイクのフレーム部分の設計します。
バイクは製造業ですが、他にも建築業でも3DCADが使われます。 建築士が一戸建てを設計するのにも3DCADが使われています。
つまり、 「3DCADソフトはエンジニアが設計をするためのツール」 なのですね。
3DCGはコンテンツ作りをするクリエイターが使うソフト
3DCGは3次元でアニメーション作成やモデリングをするためのソフトなので、 クリエイターが使います。
例えば、ゲーム会社で働いているクリエイターが 3DCGを使ってキャラクターを作成します。 そして、そのキャラクターに動きをつけてアニメーションにします。
他にも建築業でも広告宣伝のために、 デザイナーが3DCGを使って内装をデザインすることもあります。
設計前のコンセプト画像を作ることもありますし、 3DCADのデータをインポートして宣伝のための加工をすることもあります。 色や光の加減をよりリアリスティックに見せるために3DCGを使うわけですね。
つまり、 「3DCGソフトはクリエイターがコンテンツ作りをするためのツール」 なのですね。
3DCADと3DCGで使うパソコンが全然違う
さて、3DCADも3DCGも「3次元のオブジェクトを作る」という機能では 共通している部分もあります。
しかし、使用するパソコンのスペックはかなり異なります。 特に大きく違う部分は「グラフィックスのスペック」です。
3DCADでは「表示の正確性」が求められます。 そのため、プロ仕様のグラフィックスであるNVIDIAのQuadroシリーズまたは、 AMDのRadeonProシリーズが推奨されています。
シミュレーション用に設計されているグラフィックスなので、 正確に3次元空間を再現することができます。
また、グラフィックスメーカーと3DCADメーカーが協業していることも多く、 3DCADソフトの動作保証をしているものもたくさんあります。 つまり、安定して不具合なく動くことを保証しているわけですね。
一方で、3DCGでは「3次元オブジェクトの高速描画」が求められます。
そのため、ゲームでよく使用されるグラフィックスである NVIDIAのGeForceシリーズまたは、AMDのRadeonシリーズが使われることが多いです。
ゲーム用に設計されているグラフィックスなので、 高速に表示することができるわけですね。
まとめると 「3DCADパソコンは3次元空間の再現性が高いグラフィックスを使うが、 3DCGパソコンは3次元表示が速いグラフィックスを使う。」 ということです。
じつは、CPUやメモリについても3DCADと3DCGで違う部分があります。
そういう細かいパソコンスペックについて 3DCADと3DCGパソコンでまとめた記事もありますので、 興味がある方はそちらもあわせてご覧ください。
3DCADと3DCGのおすすめパソコン
当サイトでは 3DCG向けパソコンと、3DCAD向けパソコンの2パターンで おすすめパソコンも紹介しています。
パソコンメーカー別に ローエンドからハイエンドまでのノートパソコンと デスクトップパソコンを提案しています。
3DCG用もしくは3DCAD用パソコンをお探しの方は、 そちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。
まとめ
「3DCADと3DCGソフトの違いはコレ!3つのポイント」 についてのまとめです。
3DCADと3DCGの違いのポイントは3つ。 「CADは設計でCGはデザイン」 「CADはモノづくり主体でCGはコンテンツ作り主体」 「使うパソコンが違う」
3DCADの使用目的は設計図を作ること。 3DCGの使用目的はデザインをすること。
3DCADはエンジニアがモノづくりのために使うツール。 3DCGはクリエイターがコンテンツ作りのために使うツール。
3DCADは製造業、建築業で広く使われている。 3DCGはゲーム業界、映像コンテンツ制作、建築業や製造業の広告宣伝でよく使われている。
3DCGと3DCADのパソコンスペックの違いは、 グラフィックスの違いが大きい。
3DCADでは描画の正確性と安定動作が求められ、 3DCGでは高速描画が求められることが多い。
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