Civil推奨スペックはコレ!失敗しないパソコンの選び方

Civil 3D向けパソコンの選び方を解説

Civil推奨スペックはコレ、失敗しないパソコンの選び方

こんなことが知りたい

Civil3Dの推奨スペックは?

どのようなパソコンを選ぶのがベスト?

ここでは、Civil 3D用にパソコンを検討している方に向けて、 「Civil用パソコンのスペック目安」と 「パソコンを選ぶときのポイント」について解説しています。

「CPU、グラフィックス、メモリの具体的なスペックは?」 「Civilは、どのパーツが快適性に影響する?」 「PCの種類は、ゲーミングPC?ワークステーション?どれが最適?」 と、パソコン選びで悩みがちなことを取り上げて、 わかりやすく丁寧に説明していきます。

あなたのパソコン選びのお手伝いができれば幸いです。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

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目次

Civilの推奨スペック

Civil 3Dの動作環境の情報は、 開発元であるAutodeskの公式サイトに掲載されています。

Civil 3Dには、快適に動作させるための「推奨スペック」と 必要最低限に必要な「最小スペック」があります。

推奨スペックと最小スペックは、 以下の表のとおりです。

推奨スペック

CPU
  • 3GHz以上のプロセッサ
メモリ
  • 32GB
グラフィックス
  • GPUメモリ8GB、帯域幅106GB/秒
DirectX12互換
モニター解像度
  • 4K(3840x2160)
ストレージ
  • SSD 20GB

最小スペック

CPU
  • 2.5~2.9GHzのプロセッサ
メモリ
  • 8GB
グラフィックス
  • GPUメモリ2GB、帯域幅29GB/秒
DirectX11互換
モニター解像度
  • フルHD(1920x1080)
ストレージ
  • SSD 20GB

上記のスペック表は、 Autodesk公式サイトの情報をもとにして、 一部抜粋して転記しています。

Civil3Dの動作環境・Autodesk公式サイト

この推奨スペックをもとにして、 私の3DCADサポートの経験則から提案できる、 おすすめのスペックは、次の表のとおりです。

CPU、メモリ、グラフィックボード、モニター解像度の スペックを取り上げます。

おすすめスペック

CPU
  • Corei7
  • Ryzen7
  • Corei9
  • Ryzen9
3GHz以上
メモリ
  • 32GB
グラフィックス
  • NVIDIA RTX Adaシリーズ
  • NVIDIA RTX Aシリーズ
  • NVIDIA Tシリーズ
  • AMD RadeonProシリーズ
GPUメモリ8GB以上
モニター解像度
  • 4K(3840x2160)
  • WQHD(2560x1440)

Civil 3Dでは、 CPUはCorei7以上もしくは、Ryzen7以上が最適です。 コア数よりもクロック数が高いCPUを選びます。

コア数が多いとクロック数が低くなり、 コア数が少ないとクロック数が高くなるのがCPUの特徴です。 これを踏まえてクロック数に注目してCPUを選んでください。

また、WEBで購入できるパソコンの多くは、 クロック数の性能を選ぶことができます。 クロック数が高くなるにつれて価格が高くなりますが、 CPUは快適性に関わってくるので、妥協せずに選びましょう。

Civilは、地図、地形のデータが多いため、 要素が多くなる傾向にあります。 要素数が多いと、どうしても高いCPU性能が必須になってくるのです。

メモリも大容量メモリが推奨です。 Civil 3Dでは、地形の3Dモデルや、そのモデルを使って 建築物を建てた時の土量を分析することもあります。

地形データは面積が広くなる傾向が多く、 さらに3Dモデルであることも多いため、 データ量が多くなりがちです。

それらデータを一気に読込むときに、 多くのメモリが必要になります。 メモリが不足するとパソコンの動作が急激に遅くなるので、 そのリスクを減らすためにもメモリのスペックには注意が必要です。

グラフィックボードは、 3D表示性能の高いNVIDIA、AMDの専用グラフィックスが推奨です。 特に地形データに道路、橋、建造物の3Dモデルを配置して、 開発計画をする場合などは、3D要素数が多くなるため、 3D性能が高いグラフィックスが必須になります。

CPU内蔵グラフィックスではスペックが不足して 操作感が悪くなることが多いので、 必ず専用グラフィックスを選択してください。

また、CPUとグラフィックボードは、 同等程度のスペックを選ぶのがコツです。 グラフィックボードの性能が高くても、 CPUの性能が低いとグラフィックボードを最大限に活かせない場合があります。

目安としては、 GPUメモリ8GB程度のグラフィックボードには、Corei7、Ryzen7が適当です。 GPUメモリ12GB以上のグラフィックボードには、 Corei9、Ryzen9を選ぶのがいいでしょう。

特に4Kモニターを採用する場合は、 GPUメモリ12GB以上のグラフィックボードと Corei9、Ryzen9がおすすめです。

グラフィックボードで高速に3D描画したものを モニターに転送するときに、 高いCPU性能が必要になります。 解像度が高いほどCPUパワーが必要になるため、 4K解像度だとハイエンドのCPUが必要になるのです。

大規模データ、点群、3Dモデリングのスペック

等高線

大規模なデータや、 3D画像の点群データを読込ませる場合は、 「推奨スペック」が必須になります。

また、グラフィックボードに関しては、 推奨スペック以上のGPUメモリが12GB以上の性能が必須です。

これは、 Autodesk公式サイトにあるCivil 3D動作環境の 「大きなデータセット、点群、3D モデリングを扱う場合の追加要件」 のところにも掲載されています。

なぜ高性能なグラフィックボードが必要なのかというと、 大規模データや点群データは、 膨大な量の3Dデータ情報が含まれているので、 それに見合った性能がないと快適に設計できないためです。

Civil 3DはBIMというソフトにあたり、 設計情報だけではなく、3Dの座標値や高さ情報なども含まれているため、 情報量が多いのです。

例えば、ドローンや航空写真から作成した点群データには、 画像情報の他に、3次元の座標値が含まれています。 この点が数百万点から数億点になることもあります。

それら3次元データを高速に表示するには、 ハイエンドのグラフィックボードと それに見合ったCPUが必須になるのです。

そのため、大規模データや点群データを扱うときには、 Civil3Dの推奨スペック以上が必要になります。

Civil向けパソコンの選び方

続いては、パソコンの選び方です。 Civil 3D向けのパソコンを選ぶポイントとして、 次の3つがあります。

  • CPUは絶対に妥協しない
  • 解像度の高いモニターを選ぶ
  • グラフィックスは中程度以上の性能を選ぶ

Civil 3Dでは、CPUの性能が設計の快適性に大きくかかわってきます。

地形や地図を取り入れた設計のため、 広い範囲が見渡せるモニターの解像度が必要です。

そして、それらデータを高速に3D描画できる グラフィックボードが重要です。

各項目について、 もう少し詳しく説明していきます。

CPUは絶対に妥協しない

Civil用のパソコンを選ぶうえで 最も重要視して欲しいスペックがCPUになります。

CPUの性能が低いとCivilが快適に動作しないリスクがあるので、 性能の高いCorei7以上のCPUをおすすめします。

CPUのスペックを選ぶうえで「コア数」と「クロック数」の項目がありますが、 Civilでは、CPUのコア数よりもクロック数を優先して選びます。

WEB経由でパソコンを購入するときは、クロック数を選ぶことができます。

例えば、「Corei7の2.4GHz」「Corei7の3.0GHz」であったり、 「Corei9の3.0GHz」といった感じです。

この時に「できるだけ速いクロック数を選ぶ」ことがポイント になります。

3GHz以上のクロック数は価格が高いので躊躇してしまいがちですが、 後で作業の効率性にかかわってくるので、 ここは妥協せずに選ぶのがおすすめです。

解像度の高いモニターを選ぶ

2つ目のポイントとしては、 高解像度のモニターを選ぶことです。

高解像度のモニターを選ぶことで、 作業効率が格段にあがるためです。 高解像度モニターだと、 設計をする時に見える範囲が広くなり、 全体を見渡しながら作業できます。

例えば、地図や地形データを使う場合は かなり広い範囲を把握しながら道路や橋などを配置することがあります。

そのときに見える範囲が狭いと、 マウスでドラッグする回数が多くなります。 しかし、解像度が高くて見える範囲が広いと、 このマウス操作がなくなり、単純に操作の手数が減るのです。

このような理由からも、 高解像度のモニターがおすすめです。

Civil 3Dの推奨スペックでは、 4K解像度のモニターが推奨されています。

ただ、私の3DCADサポート経験を踏まえると、 WQHDでも十分に作業効率が向上すると考えています。 もちろん4Kモニターの方がおすすめですが、 4Kモニターはまだ価格が高いのがネックです。

その価格のデメリットを減らしてくれるのが、 WQHD解像度のモニターです。

Civil 3Dに最適なモニターについては、 下のページで解説していますので、 興味があれば、こちらも合わせてご覧ください。

おすすめ3DCAD用モニター4選!仕事で使うモニター選び方

グラフィックスは中程度以上の性能を選ぶ

最後のポイントは、中程度以上の性能のグラフィックスを選ぶことです。

Civil 3Dでは、 GPUメモリが8GB以上の中程度以上のNVIDIA、AMDのグラフィックボードを 使うことがおすすめです。

その理由は、 Civil 3Dでは、グラフィックボードGPUを使った高速表示が実装されているためです。

例えば、 3Dビュー画面の操作や、線形や地形での曲線の表示、 文字の表示などでGPUを使った高速処理が行われます。 これは、特に要素数が多くなるほど恩恵が受けられます。

GPUメモリが多いグラフィックボードは、 性能も高くなります。 推奨はGPUメモリが8GB以上ですが、 4Kなどの高解像度のモニターを使う場合は、GPUメモリ12GBが適切でしょう。

グラフィックボードの種類ですが、 私の3Dサポート経験を踏まえると、 ゲーム向けのGeForce、Radeonよりも エンジニア向けのNVIDIA RTXシリーズやRadeonProシリーズが最適です。

一般的にエンジニア向けのNVIDIA RTXやRadeonProは、 Autodeskと連携しながら、 安定して動くようにチューニングされているため、 不具合リスクが低いためです。

もちろん、GeForce、Radeonで動かないことはないです。 ただ、法人、個人事業主などの仕事で使う場合は、 できるだけ信頼性の高いグラフィックボードを選び、 トラブルシュートという無駄な時間を費やさないことが重要です。

このような理由から、 私個人的にはいつもエンジニア向けのグラフィックボードを提案しています。

Civilおすすめパソコン

Civil 3Dにおすすめのパソコンについてですが、 3Dの線形、土工モデルを作成する場合には、 ミドルエンド以上のクリエイターパソコンがおすすめです。

推奨スペックに合ったCPU、グラフィックボード、メモリが選べて、 さらに価格も手頃なパソコンが多いためです。

例えば、 Corei7、メモリ32GB、NVIDIA RTXシリーズのGPUメモリ8GBでも 25万円~30万円前後です。 NVIDIA Tシリーズであれば、もう少し価格も抑えられるでしょう。

具体的なおすすめパソコンは、 以下のページで紹介していますので、 よかったらこちらも合わせてご覧ください。

厳選!おすすめ3DCADパソコン12選

点群データを使った地形モデルや、 TINサーフェスのような3D地形モデルの解析をする場合は、 ワークステーションがおすすめです。

大規模なデータセットと共に、 地形からシミュレーションすることも多いため、 ハイエンドのCPU、グラフィックボードが選べる ワークステーションは最適です。

例えば、 Corei9、Ryzen9以上が選べて、 GPUメモリ12GB以上のNVIDIA RTXシリーズが付いているモデルは、 ワークステーションしか選べないメーカーが多いです。

具体的なおすすめワークステーションについては、 以下のページで取り上げていますので、 よかったらこちらも合わせてご覧ください。

処理速度が一気にあがる!おすすめワークステーション

まとめ

「Civil推奨スペックはコレ!失敗しないパソコンの選び方」 についてのまとめです。

Civilの推奨スペックは、 ハイエンドのクリエイターパソコン、 もしくはワークステーションで採用されるスペック。

Civil用のパソコンを選ぶポイントは 「CPUは絶対に妥協しない」「解像度の高いモニターを選ぶ」 「グラフィックスは中程度以上の性能を選ぶ」の3つ。

CPUは最も重要。 CPUはコア数よりもクロック数を優先して選ぶ。

地図や地形データは幅広い詳細表示が求められるので、 解像度が高いモニターが作業効率をアップさせる。

グラフィックスは中程度以上のNVIDIA、AMDが 高速処理できるのでおすすめ。

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