注目したい3つのPCスペックとおすすめパソコンを紹介
こんなことが知りたい
AutoCADに推奨なスペックは?
AutoCADにおすすめのパソコンは?
ここでは、 AutoCAD用のパソコンを購入しようと考えている方に向けて、 「AutoCADの推奨スペック」と「パソコン選びのポイント」そして 「おすすめパソコン」 について解説しています。
私自身、仕事で3DCADのサポートをしていましたが、 そのときよくお客様から「AutoCAD用に新しいパソコンの提案をして欲しい」 と依頼を受けていました。
そのとき、いつも心がけていた 「AutoCADパソコン選びの3つのポイント」があります。 そのポイントについても解説していきます。
あなたの問題解決のお手伝いができればうれしいです。
目次
- AutoCADの推奨スペックはコレ!
- パソコン選び3つのポイント
- AutoCADの認定グラフィックスを選ぶ
- メモリは大容量を選ぶ
- CPUはクロック数が高いものを選ぶ
- おすすめパソコン
- MacとWindowsどちらにすれば?
- まとめ
AutoCADの推奨スペックはコレ!
まずは、Autodesk公式サイトで掲載している AutoCAD推奨スペックについてチェックします。
Autodesk公式サイトに載っている推奨スペックで、 3DCADパソコンに重要な「CPU、メモリ、グラフィックス」を取上げて、 私のおすすめも加味するとこんな感じのスペックになります。
CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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新しいパソコンを購入する場合は、 2Dをメインに使っているという方でも、 できるだけこの推奨スペックをおすすめしています。
理由は、 「今後CAD業界が、2Dと3Dの両方を使って設計するような流れになっているから」です。
例えば、2DメインだったAutoCAD LTが販売終了になってAutoCADに統合されたのも、 「2Dと3Dを両方使うのが当たり前になっていく」という流れを受けたからだと感じています。
だから、今後のことも考えて、 AutoCADの3D機能が快適に動くパソコンをおすすめしています。
パソコン選び3つのポイント
AutoCADのパソコンを選ぶときに注目したいポイントは、 この3つになります。
- 認定グラフィックスを選ぶ
- メモリは大容量にする
- CPUはクロック数が高いものを
「なぜ、認定グラフィックスを選ぶ必要があるのか?」 「なぜ、大容量メモリがおすすめなのか?」 「なぜ、CPUはクロック数が高くなければいけないのか?」
このあと、説明していきます。
AutoCADの認定グラフィックスを選ぶ
まずは、最も重要なポイントとして挙げたいのが、 グラフィックスのスペックです。
AutoCAD用のパソコンでは、 NVIDIAもしくはAMD製の「認定グラフィックス」を選ぶことがおすすめです。
認定グラフィックスとは、 「このグラフィックスはAutoCADの動作確認が取れていますよ」という 動作保証をしているハードウェアのことをいいます。
なぜ、認定グラフィックスがおすすめなのか? その理由は、「AutoCADの3D表示で不具合があったときに無駄な時間を取られるから」です。
例えば、独学や仕事のために新しいパソコンを購入したときに、 AutoCADが正常に動かなかった場合、まずトラブルシュートをしなければいけません。
つまり、本来の目的と違うことに時間を費やさなければいけないリスクがあるわけですね。
だから認定グラフィックスが入っているパソコンがおすすめなのです。
ちなみに、AutoCADの認定グラフィックスは、 Autodeskの公式サイトから確認することができますので、 まずはここもチェックしてください。
認定グラフィックス ハードウェア・Autodesk公式サイト
グラフィックスの種類についてですが、 必ずしも最新のグラフィックスを選ぶ必要はないと思っています。 推奨である4GB以上のGPUメモリであれば、問題ないです。
グラフィックスは高価なので 予算に合わせてオーバースペックにならないように選ぶのがコツです。
例えば、AutoCADで図面から立体表示するくらいの使い方であれば、 TシリーズやRTX Aシリーズのミドルエンドくらいで十分でしょう。
大学の授業やゼミなどで、 勉強のために設計するというと、この立体表示くらいまでのところが多いのではないでしょうか。
仕事でAutoCADを使うとなると、 もう少し上のクラスのグラフィックスがおすすめになってきます。
素材の質感や光の当たり具体までそれなりに再現したいとなると、 やはり4GB GPU以上のグラフィックボードが必要になります。
お客さんに見せる時は、 だいたいこのくらいの質までは作業してイメージを抱いてもらいますかね。
メモリは大容量を選ぶ
ポイントの2つ目はメモリのスペックに関してです。
AutoCADで平面図での設計と立体表示くらいまでであれば、メモリは8GBあれば十分です。 しかし、素材の質感見てもらうような3D表示までするならば メモリは16GB以上がおすすめです。
なぜ、16GBのような大容量メモリが必要なのか? その理由は、「メモリ不足でAutoCADの動作が遅くならないようにするため」です。
設計で使う部品の数が多くなるとメモリが足りなくなってしまうことがあります。 例えば、戸建ての内装などを表現すると、けっこうな数の部品を使うわけですね。 そこでメモリが不足していると、AutoCADの動作が急激に遅くなり、快適に使えなくなってしまいます。
こうなると、作業効率が悪くなり まともな設計ができなくなる可能性があるのです。
また、AutoCADを使っているときに、 なにか別のソフトウェアを同時に起動しているとメモリ不足になることもあります。
例えば、壁紙に使うテクスチャを作るために Photoshopを同時に起ち上げている場合、メモリを多く使うのです。
また、ワードやエクセルを同時に起ち上げながら作業をしたり、 他の3DCADソフトと連携して同時に起ち上げて作業することがあります。
こういう快適性を失うリスクを避けるために、 大容量メモリをおすすめしています。
CPUはクロック数が高いものを選ぶ
3つ目のポイントが、CPUについてです。
AutoCAD用パソコンのCPUは、 できるだけクロック数の高いスペックがおすすめです。
なぜ、CPUのクロック数が高い方がいいのか? その理由は、「AutoCADは多機能なのでクロック数が高い方が快適に動くため」です。
例えば、複数図面の重ね合わせだとか、スクリプトの実行など AutoCADは便利な機能があります。 図面の重ね合わせは数が少なければ一瞬ですが、 数が増えるほどCPUスペックが必要になってきます。
スクリプトも一つのスクリプトを実行するのは一瞬ですが、 いくつものスクリプトを同時に実行するときには 性能の高いCPUが必要になってきます。
一般的に3D表示やベクトル、行列計算でGPUが使われることが多いですが、 その他の処理はほぼCPUが行います。
例えば、CPUのクロック数が高いことでユーザーインターフェースの更新速度や 3D画面の更新速度にも違いが出てきます。
ソフトウェアでは通常、CPUに余力があるときに常に画面の更新をするように プログラミングするのが定石です。
CPUの性能が高いと余力がある時間が多くなるので、 更新速度も速くなり、操作に対する反応速度も速くなります。 つまり、快適に感じるわけですね。
こういう快適性を上げて、作業効率を最大限にするために、 CPUのクロック数を高くすることをおすすめしています。
ちなみに推奨は3GHz以上ですが、 個人的には2.5GHz~2.9GHzでも十分に使えるスペックだと感じています。
もし、予算が厳しいようであれば、 必ずしも3GHz以上ではなくてもいいと個人的には感じています。
おすすめパソコン
私のCADサポート経験から 「いつもお客様に提案しているスペックのおすすめパソコン」を ピックアップしました。
「おすすめのデスクトップ」と「おすすめノートパソコン」に 分けて紹介しています。
小規模設計、中規模設計、大規模設計に向いているパソコンを それぞれ提案しています。
おすすめデスクトップ
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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SSD |
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価格 |
25万円弱~ |
マウスのクリエイター向けパソコンです。 グラフィックボードはT1000シリーズが搭載された 非常にカスタイマイズ性の高いパソコンです。
CPU、メモリ、ストレージはカスタイマイズ可能で 予算にあわせてスペックを変えられます。 中規模設計に向いているコストパフォーマンスが高いパソコンです。
「どれにしようか迷ったらコレ!」 として推薦するパソコンです。
SENSE-M07M-134F-NBX [Windows 11 Home]
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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SSD |
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価格 |
13万円強~ |
パソコン工房の3DCAD向けクリエイターパソコンです。 第13世代Corei5を搭載した価格の安さが特長のパソコンです。 主に小規模設計から中規模設計に適しています。
とにかくコストを抑えたい方におすすめのパソコンです。
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
35万円弱~ |
マウスのクリエイターパソコンです。 中規模設計から大規模設計までできるパソコンです。
最新のインテル第14世代CPUを搭載していて、 RTX A2000の能力を最大限に生かしたモデルです。
中規模以上の設計を考えていて、 予算が許すなら真っ先におすすめするパソコンです。
【Dell】New Precision 3460 スモール フォーム ファクター プラチナモデル(大容量メモリー・SSD・グラフィックカード搭載)
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
18万円強~ |
認定ハードウェア
- SolidWorks
- CATIA 3Dエクスペリエンス
DELLの3DCAD向けワークステーションです。 多彩なカスタマイズができるパソコンです。 中規模設計から大規模設計までできるパソコンを構成することができます。
おすすめノートパソコン
セール中の注目パソコン
2024年1月31日までセール中
【広告】【提供:株式会社日本HP】
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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HPの人気モバイルワークステーションZBookシリーズです。 中小規模に向いているパソコンです。
ただ、製品の在庫状況により、 予告なくクーポンを終了する可能性があります。
HP ZBook Firefly 16 inch G10 Intel Core i5-1335U/16GBメモリ/NVIDIA RTX A500/512GB SSD搭載 キャンペーンモデル
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
23万円強~ |
認定ハードウェア
- AutoCAD
- Fusion360
- SolidWorks
- CATIA 3Dエクスペリエンス
HPの3DCAD向けモバイルワークステーションです。 小規模から中規模設計に向いているパソコンです。
3DCADでは不動の人気であるZBookシリーズのエントリーモデルです。 「迷ったらコレ!」を自信を持って言える 失敗しない3DCAD向けノートパソコンです。
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
20万円強~ |
- AutoCAD
- Fusion360
- SolidWorks
- CATIA 3Dエクスペリエンス
Lenovoの3DCAD向けモバイルワークステーションです。 中規模設計に向いています。 人気のP16シリーズパソコンです。
第13世代インテルCoreiシリーズが搭載されていて、 コスパが良い人気のノートパソコンです。
【Dell】New Precision 3581 ワークステーション
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
26万円強~ |
認定ハードウェア
- AutoCAD
- SolidWorks
- CATIA 3Dエクスペリエンス
DELLの3DCAD向けモバイルワークステーションです。 中規模設計に向いています。 機械系3DCADで定番のPrecisionはコスパに優れたノートパソコンです。
大規模設計やレンダリングにおすすめパソコン
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
53万円弱~ |
マウスのクリエイターパソコンです。 大規模設計までできるハイエンドのスペックを持ち合わせパソコンです。
第14世代のCPUとRTX A4500が搭載されてこの価格で、 コストパフォーマンスが高いパソコンです。 高速レンダリングに向いています。
設計目安 |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
65万円弱~ |
認定ハードウェア
- SolidWorks
- CATIA 3Dエクスペリエンス
- Revit
HPの3DCAD向けワークステーションです。 中規模設計~大規模に向いています。 3DCADや3DCGの法人向けワークステーションで 圧倒的な実績を誇るZシリーズのミドルエンドパソコンです。
Zシリーズは多くの3Dソフトと連携している実績があるので、 企業や個人事業主に人気のモデルです。
SENSE-F079-LC139KF-NPX [Windows 11 Home]
設計目安 |
![]() ![]() |
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CPU |
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メモリ |
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GPU |
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SSD |
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価格 |
79万円弱~ |
PC工房の3DCAD向けクリエイターパソコンです。 大規模設計に最適なRTX A5500の大容量GPUメモリが採用されています。 第13世代のCPUとの相性も抜群で高速レンダリングに向いています。
A5500を搭載して、この低価格を実現できるのは PC工房ならではの企業努力です。
Macのおすすめ3DCADパソコン
MacBook Pro 14.2インチ Apple M3 Pro
「メモリ18GB、Apple M3 Proチップ、SSD 512GB、14インチ」の 11コアCPU、14コアGPUモデルです。
持ち歩きもできる14インチモニターの小型ノートタイプです。
MacBook Pro 16.2インチ Apple M3 Pro
「メモリ36GB、Apple M3 Proチップ、SSD 512GB、16インチ」の 12コアCPU、18コアGPUモデルです。
M3 Pro搭載の高性能MacBookProです。 画面サイズの大きな16インチモニターのノートタイプです。
MacとWindowsどちらにすれば?
AutoCADはMacも対応しています。
工業デザインや建築系の設計をする仕事では、 Macを使っている方も多いです。
MacとWindows版はどちらがいいか?という質問に対しては、 「周りの人が使っているOSのパソコンを選ぶのがベスト」という回答です。
仕事場では周りの人がMacを使っていて、 一人だけWindowsだと色々困ることがあります。
AutoCADのみを使って仕事をするわけではないので、 MacにあってWindowsにないソフトで設計仕様書を作って開けない… なんてリスクも少なからずあります。
ちなみに、AutoCADのdwgファイルの互換性は保たれているので、 データのやり取りは問題ないです。 問題なのはAutoCAD以外のデータのやり取りだったりするわけです。
そういう面倒なことを避けるためには、 周りの人が何を使っているか確かめてから AutoCAD for Macを選ぶか、Windows版を選ぶかを決めるのがいいかと思います。
AutoCADを安く手に入れるには?
さて、ここまでAutoCAD向けのパソコンについて解説してきましたが、 AutoCADのライセンスについても解説しています。
AutoCADはサブスクでライセンスを購入しますが、 「買い方」で価格が若干変わってきます。 あなたがAutoCADをどれくらいの期間使うかで、 おすすめのサブスクライセンスが変わってくるわけです。
例えば、3年間くらいは使う予定だけど、 どの期間のサブスクがお得なのか? 気になりますよね。
そんなAutoCADのライセンスの買い方について 解説しています。
興味があれば、ぜひこちらももあわせてご覧ください。
まとめ
「AutoCAD用パソコンの推奨スペックは?知っておきたい3つのポイント」 についてのまとめです。
AutoCADで2Dをメインに使っていても、 今後のことを考えて3Dが使えるスペックのパソコンにするのがおすすめ。
グラフィックスはNVIDIAまたはAMDの認定グラフィックスがついている パソコンを選ぶのがおすすめ。
設計した3Dモデルのデータセットが大きくなっても対応できるように 大容量メモリにすることがおすすめ。
クロック数が高い方が、快適度数が高くなるので、 できるだけCPUクロックが高いパソコンがおすすめ。
MacかWindowsで悩んでいるならば、 周りの人が何を使っているかで選ぶ。
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