Blenderは普通のパソコンでどこまでできる?

普通のパソコンでBlenderでできることを解説

普通のパソコンでBlenderでできることを解説

こんなことが知りたい

Blenderは普通のパソコンで動く?

普通のパソコンでどこまでできる?

ここでは、Blender初心者に向けて 「普通のパソコンでBlenderはどこまでできるのか?」 について解説していきます。

「キャラクターモデリングをするのに普通のパソコンで十分なのか?」 「普通のパソコンを使うと何が問題になるのか?」

私の経験もふまえて説明していきます。

あなたのBlenderパソコン選びの お手伝いができれば幸いです。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

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目次

普通のパソコンのスペック

Blenderを快適に動かすためには Blenderの推奨スペックを満たすパソコン が必要になります。

どの程度のスペックかというと、 おおよそ20万前後のゲーミングPCやクリエイターパソコンが 採用しているスペックです。

さて、では一般的にオフィスワークなどで使われている 普通のパソコンでは、どのよう程度動くのでしょうか。

まず、「普通のパソコン」ってどのようなスペックなのか、 というと下の表のようなスペックを対象にしています。

一般的に、 会社のオフィスワークで使われるスペックが 「普通のパソコン」と よく呼ばれています。

CPU
  • Corei5
  • Ryzen5
メモリ
  • 8GB
グラフィックス
  • CPU内蔵グラフィックス
ストレージ
  • SSD 256GB

マイクロソフトのOfficeが問題なく動いて、 動画も特に問題なく見れるようなスペックです。

グラフィックスはCPU内蔵で インテルUHDやIrisXeが採用されていることが多いです。

簡単な3DCG表示であれば動作も遅くならずに サクサク動くようなスペックです。

ちなみにWindowsパソコンをベースに解説していきますが、 Macでも同じようなスペックが「普通のパソコン」として 普及しています。

さて、このスペックでBlenderがどこまで動作するのか について説明していきます。

キャラクターモデリングは?

Blenderを使いたいと考えている方は 「3Dキャラクターを作ってみたい!」と 思っていることが多いのではないでしょうか。

VR業界の成長に伴って 「VTuberのキャラクター」や「メタバースのアバター」などの 3DCGモデルの需要が増えているためです。

さて、 3DCGキャラクターは、普通のパソコンを使って作れるのか? についてですが、答えは「難しい」です。

なぜ難しいのか?というと、 キャラクターを作るために「服の柄」や「装飾品の質感」を設定しますが、 その作業をするために高性能なグラフィックスと 高速なCPUが必須になるためです。

また、キャラクターが動いたときの服や装飾品の見え方を ポーズをとって確認しますが、 そのときにも高性能なスペックが必須になります。

Blenderのキャラクター作成ではおおまかに 「形を作る作業」「素材の質感や色を設定する作業」 「動きで確認する作業」があります。

このなかの 「キャラクターの形を作る作業」では普通のパソコンでも十分問題なく動作します。 例えば、下の画像のように容姿を整えていく作業です。

モデリング画像

洋服の形を整えたり、 髪の毛を作ったり、顔の輪郭や目や鼻を造形したりする作業です。 この作業はかなり軽快に動くのです。

さて、ここから着ている服の質感や色、 身に着けている装飾品の質感や色を設定していきます。 しかし、この作業は「普通のパソコン」では難しくなるのです。

この「素材の質感や色を設定する作業」はマテリアル設定と言われ、 下のような画像になります。

マテリアル設定

デニムの質感を出すために画像を貼り付けたり、 子供の血色のいい肌を再現したり、 髪の毛の光の反射を付け加えたりしています。

これを3D表示しようとすると、 急に動作が遅くなったり、最悪フリーズして動かなくなります。

ちなみに、私が出張用に使っている「普通のパソコン」では、 マテリアル設定をすると Blenderが途中で止まってしまいます。

キャラクターが白いまま、質感や色が表示されずに Blenderがフリーズして操作できなくなってしまいます。 下の画像がフリーズしたBlenderの画像です。

マテリアル設定でのフリーズ

さらに、キャラクターにポーズをとらせて 「動き」を確認するのですが、 この作業もスペックが足りないとBlenderがフリーズしてしまいます。

私の普通のパソコンでは、 ファイルを開いた瞬間からフリーズしてしまいました。

ポーズモードでのフリーズ

こういうことから、 普通のパソコンではキャラクターモデリングは難しいのです。

ちなみに、今回使っているキャラクターは、 Blender公式サイトのサンプルデータを使っています。

もし、あなた自身で試してみたい場合は、 じっさいにダウンロードして確認してみてください。

Ellie・Blender Studio公式

小物のモデリングは?

キャラクターを作るのは難しいけれど、 「小物」であればどうでしょうか?

例えば、食べ物や飲み物といった「モノ」だとか、 椅子や机、パソコン、スマホなどの小物のモデリングです。

普通のパソコンで小物のモデリングはできるか?についてですが、 答えは「時間がかかるけどできる」です。

具体的に「時間がかかる」とは、 どのような作業に時間がかかるのか?ですが、 「レンダリング作業」で長い処理時間になります。

例えば、「酒瓶」のモデリングを一例にすると、 最終的な見栄えを確認する作業として「レンダリング」をして キレイな画像で出力します。 下のような画像がレンダリング出力した酒瓶です。

酒瓶のレンダリング

この画像を出力するのに 普通のパソコンではおおよそ45分~60分程度かかります。 Blenderで推奨されているスペックのパソコンだと、 1分30秒あればレンダリングは終わってしまいます。

ただ、その前段階のモデリングで 「形を作る作業」では普通のパソコンでも問題なくサクサク動作してくれます。 表面の色や質感はOFFにしておいて形を整えるだけの作業なので そこまでスペックが高くなくてもできるわけです。 下のような画像が作業中の画像です。

酒瓶のモデリング

このあと、色や質感を設定する「マテリアル設定」をしていきますが、 キャラクターモデリングとは違い、 規模も小さいので普通のパソコンでもそれなりに動作します。 ただ、多少「もっさりした動き」になります。 少し重いと感じる動作です。

カメラの位置を変えたり、 質感をいろいろ試したりするたびに多少重い動作になるので、 快適感はありません。

酒瓶のマテリアル設定

このあとじっさいにリアリスティックな画像として確認するために レンダリングを行いますが、 普通のパソコンではとても長い時間がかかるわけです。

ちなみに、この酒瓶はじっさいに私がモデリングしました。

最初は普通のパソコンでモデリングしていましたが、 マテリアル設定でもたつく感じがストレスになり、 さらにレンダリングが終わらないので、 新しくBlender推奨スペックのパソコンを購入して作りました。

少し話がズレますが、 Blenderのモデリングに関して、 じっさいにどのような過程で作っていくのか具体的に知りたい場合は 下の記事もあわせて参照ください。

アニメーションは?

Blenderは3DCGキャラクターを作るだけではなく、 キャラクターを動かして アニメーション化する機能もあります。

ちなみにBlenderは おすすめの3Dアニメーション作成ソフト としてもよく紹介されるため、 たくさんのユーザーがBlenderでアニメーションを作っています。

さて、では、 Blenderでアニメーション作成をするときに 普通のパソコンを使うとどれくらい動くのでしょうか。

じつは、 Blenderでアニメーション作成をするのは 普通のパソコンでは「かなり難しい」です。

なぜかというと、 アニメーションでは3Dモデルの姿勢を高速に計算して動かして、 さらにその3Dモデルを高速に3D表示しなければいけないためです。 つまり、姿勢を推定するための速いCPUと 高速描画ができるグラフィックスが必須になるのです。

例えば、アニメーションでは姿勢である「ポーズ」を作ります。 そのときにIKやFKといった姿勢推定をする計算を行います。 この処理にはハイスペックなCPUが必要になるのです。

また、一般的にアニメーションでは1秒間に30回ほど3D描画されます。 普通のパソコンでは表示が追い付かなく、 コマ飛びしてしまうのです。

これだと、アニメーションがうまく作れていないのか、 パソコンの性能の問題なのかが わかりずらいわけですね。

こういうことから、 普通のパソコンではアニメーションを作るのは難しいのです。

Blenderおすすめパソコン

当サイトでは Blender用のおすすめのパソコンも紹介しています。

Blenderの推奨スペックをもとにして、 初心者~上級者までを対象に Blenderがストレスなく動くパソコンをピックアップしています。

Blender用のパソコンをお探しの方は、 そちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。

Blender推奨スペックはコレ!おすすめパソコン10選

まとめ

「Blenderは普通のパソコンでどこまでできる?」についてのまとめです。

普通のパソコンとは、 会社のオフィスワークができる程度のスペックのことが多い。

Blenderを使ったキャラクターモデリングでは、 普通のパソコンではスペックが不足していて難しい。

マテリアル設定でフリーズしてしまうこともある。

小物のモデリングでは、 普通のパソコンでは動作は重いが、処理時間を待てばできる。

マテリアル設定やレンダリングで 長時間待つこともある。

普通のパソコンでアニメーション作成は難しい。 ポーズの作成やアニメーション表示で スペックが足りずに正常に表示されないことがある。

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