ノートパソコンでBlenderがどこまでできるかを解説
こんなことが知りたい
Blenderはノートパソコンでは重くて使えない?
ノートパソコンだと何が不便?
ここでは、 Blender向けに新しくノートパソコンを検討している方に向けて 「Blenderはノートパソコンだとどこまでできるのか」 について解説してきます。
私自身もBlenderを始めるために 新しくノートパソコンを購入しました。 以前使っていたノートパソコンが重くて使えなかったため、 Blender推奨スペックのゲーミングPCを選びました。
そのノートパソコンを使って、 「どんなことまでできるか」と 「何が不便なのか?」について説明していきます。
あなたのノートパソコン選びのお手伝いができればうれしいです。
目次
私が買ったノートパソコン
私は、 Blenderで「3Dモデリング」と「簡単なアニメーション作成」をするために Blender公式サイトに載っている 「推奨スペック」のノートパソコンを購入しました。
私のBlender向けノートパソコンは下の表のスペックになります。
CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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ストレージ |
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ディスプレイ |
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ブランド |
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BlenderはMacも対応していますが、 私はWindowsノートパソコンを選びました。 理由としてはWindowsの方が使い慣れているためです。
購入価格は20万円でした。
購入の時に悩んだのはメモリのスペックです。 メモリを16GBか32GBかで悩みましたが32GBにしました。 なぜかというと、 将来的にアニメーション作成もやりたいのと、 できるだけ買い替えのリスクを減らしたかったためです。
Blenderは基本的に16GBでも比較的問題なく動きます。 しかし、近い未来、自分のスキルが上がった時に 作成する3DCG作品の規模も大きくなり、 スペックが不足することも大いに考えられます。
ノートパソコンの買い替えをできるだけ避けるために Blender推奨スペックを満たすノートパソコンを購入しました。
ここからは、 この推奨スペックを満たしたノートパソコンを使うと どんなところまでできるのか? 何が不便なのか?について説明していきます。
推奨スペックを試してみる
BlenderでCG作品を作るときに行う作業としては、 次の3つがあります。
- モデリング
- レンダリング
- アニメーション
このうちパソコンの負荷が大きくなって重くなるのは、 「レンダリング」と「アニメーション」です。
モデリングをしたあとに、見栄えを確認するためレンダリングをしますが、 この処理時間がパソコンの快適性に大きくかかわってきます。
また、アニメーションも3Dモデルを動かすときに スペックが不足して重くなり、 キャラクターがカクカク動いたり、 アニメーション再生時にコマ飛びすると不便に感じてしまいます。
そのような快適性について見ていきます。
モデリング
モデリングでは、 まず立方体などからキャラクターの形を作っていく作業をしていきます。 ある程度の形が出来上がったら、肌の色や服の色などの 「マテリアル」を設定していきます。
さて、例えば、1体のキャラクターを作成する作業では、 推奨スペックのノートパソコンであれば 動作が遅くなることもなく快適に操作することができます。 つまり、重くはないということです。
マテリアル設定をするときには、 ライトを当ててじっさいにどのようなレンダリング結果になるのかを 簡易的にプレビューしながら作業を進めます。
下の画像のように背景スクリーンをバックにして、 ライトを当てたときに 肌の色や服の質感がどのように変わるかを確かめながら 何度もマテリアル設定を変更しながら調整していきます。
このプレビューをしながらマテリアル設定をする作業は パソコンにとても負荷がかかり重くなる作業です。 ただ、単体のキャラクターを作る程度では ノートパソコンでもほとんどストレスなく動かすことができます。
つまり、単体のキャラクターモデリングでは、 推奨スペックを満たしていればノートパソコンでも 何の問題もなく快適に動くということです。
メモリのスペックはどうでしょうか? じっさいにキャラクターを読み込まれたときの メモリ使用量は「8.8GB」とかなり余裕があります。
では、複数のキャラクターと 小物や建物を含めた背景などの 規模の大きなモデリングではどうでしょうか。
結論から言うと、 「ノートパソコンでは 規模の大きなモデリングで重くなります。 特にマテリアル設定で動作が遅くなり不便を感じることがあります。」
例えば、下のような複数体のキャラクターと 建物と小物を含めたシーンでは、 マテリアル設定のプレビューで動作が重くカクカクした動きになりました。 ちなみに、形を作るだけの作業では快適に動きます。
3D表示にGPUを使って高速化をしていますが、 ノートパソコンのグラフィックスではスペックが足りずに 表示が追い付いていませんでした。
設定を変えるたびに3D表示をし直すので、 かなり時間がかかります。 正直、作業を進められないレベルの不便さです。
これはつまり、 ノートパソコンではグラフィックスとCPUのスペックが足りなくなり、 動作が遅くなっているということです。
メモリのスペックについてはどうでしょうか。 データを読み込み表示させたところで メモリ使用量は「11.2GB」でした。
メモリの容量は十分に足りているので、 重くなる原因はグラフィックボードのスペックと考えられます。
レンダリング
続いて、「レンダリング」について どのくらい時間がかかるかを見ていきます。
レンダリングには「Cycles」という より現実に近い表現ができる機能を使います。 画像を最適化する回数である「サンプル数は300」にします。
グラフィックボードのGPUを使ったレンダリングで処理した結果、 「単体のキャラクターだと49秒」で 「規模の大きなシーンだと2分38秒」かかりました。
規模が大きくなるとノートパソコンではそれなりに時間がかかりますが、 待てない時間ではないという印象です。
レンダリングしているときのメモリ使用量についても見てみます。
レンダリング中のメモリ使用量は 「単体のキャラクターだと10.3GB」で 「規模の大きなシーンだと27.6GB」でした。
個人的にはノートパソコンでもレンダリングは十分に使えると感じています。 ただ、上でも書いたように モデリングのマテリアル設定でかなり不便を感じます。 中規模以上の3DCGを作るならノートパソコンは あまりおすすめはできません。
アニメーション
アニメーション作成では、 「コマ飛び」や「カクカクした動き」が起こらないかが 快適性に大きくかかわってきます。
なぜなら、アニメーション作成では キャラクターが自然に動いているのかを動画再生しながら 「キャラクターのポーズ」を調整していくためです。
例えば、 キャラクターが、アニメーションでカクカクした動きになっていた場合、 ポーズの設定方法が悪いのか、 スペック不足なのかわかりづらいわけです。
これを避けるためにも、 スムーズな再生表示ができるかどうかが重要になってくるわけです。
その スムーズなアニメーション表示はノートパソコンでもできるのか? ですが、私のノートパソコンでは 「単体のキャラクターのアニメーション」でも 「背景とキャラクターがあるシーンのアニメーション」でも スムーズに表示できていました。
背景を入れてアニメーション表示しても重くはならず、 スムーズにアニメーション表示できていました。
ノートパソコンでも アニメーション作成はけっこうできる印象です。
おすすめのスペック
じっさいにいくつかのデータをBlenderで試してみて 結局どのスペックがおすすめなのか? 私としては「作るデータの規模」で分ける必要があると思っています。
小規模~中規模のCG作品を作る
Blenderの推奨スペックを満たしているパソコンがおすすめ。 ノートパソコンでも快適にモデリングできます。 予算が足りなければメモリは16GBでもギリギリ大丈夫。
CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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中規模以上のCG作品を作る
Blender推奨スペックを満たしているデスクトップがおすすめ。 グラフィックボードはGPUメモリが最低8GB以上が必要。 メモリも32GB以上が適当。
CPU |
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メモリ |
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グラフィックス |
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ちなみに、 Blenderは1カ月~3カ月勉強すれば単体のキャラクターを 作れるくらいまでになります。 そして、3カ月~半年ほど本気で勉強すると、 背景も含めてある程度の規模のCG作品が作れるようになります。
もし、本気で3DCGをやってみたい!と 考えている方は「Blender推奨スペックを満たしているデスクトップ」を 強くおすすめします。
ノートパソコンだとスペックの増設ができません。 自分のスキルが上がって、 メモリ不足やグラフィックボードのスペック不足になったときに 「パソコンの買い替え」が必要になってしまいます。
この買い替えリスクを減らすためにも デスクトップがおすすめです。
Blenderおすすめパソコン
当サイトでは Blender用のおすすめのパソコンも紹介しています。
Blenderの推奨スペックをもとにして、 初心者~上級者までを対象に Blenderがストレスなく動くパソコンをピックアップしています。
Blender用のパソコンをお探しの方は、 そちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。
まとめ
「Blenderでノートパソコンは重い?じっさい試してみた」 についてのまとめです。
私が買ったBlender用のノートパソコンは 推奨スペックを満たしていて価格は20万円。 じっさいにどこまで快適に操作できるのか、を試した。
モデリングは単体のキャラクターを作るのは問題ない。 規模の大きなシーンでは、 マテリアル設定で動作が遅くなり、不便を感じる。
レンダリングは単体キャラクターでも 規模の大きなシーンでも それほど重くならず、気にならない程度の処理時間だった。
アニメーションでは、 規模がある程度大きくても問題なく高速に表示できた。
中小規模の作品を作るなら ノートパソコンでも十分。
大きな規模の作品を作るなら デスクトップパソコンがおすすめ。