低価格の個人向けモーションキャプチャーを紹介
こんなことが知りたい
低価格で買えるモーションキャプチャーは?
VTuberに最適な個人向けモーションキャプチャーは?
ここでは、モーションキャプチャーを探している方に向けて 「低価格の個人向けモーションキャプチャー」を紹介 しています。
「価格はどれくらい?」 「対応アプリは?」 「センサー方式は?」 話題のモーションキャプチャーを取り上げて 各商品の特長を解説していきます。
3Dモデルを使ってVTuberをやってみたい人や メタバースにフルトラッキングしてみたい人に向いている モーションキャプチャーをピックアップしてみました。
あなたのモーションキャプチャー選びのお手伝いができれば うれしいです。
この記事を書いた人
さくら
- 3DCADサポートエンジニア
- サポート歴7年
- Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事
- 2022年からVR部署の管理職
- 法人向けVRを扱う
詳しい紹介はこちら 「自己紹介」
目次
個人向けモーションキャプチャー
モーションキャプチャーといえば、法人向けの高額なシステムが主流でした。 しかし、ここ最近では個人で買えるモーションキャプチャーも増えてきました。
そんな個人向けモーションキャプチャーで、 使い勝手の良い人気の商品をピックアップしました。
- mocopi
- Uni-motion
- HaritoraX
- VIVEトラッカー
主な用途は、 VRやメタバースで身体の動きをリアルタイムにアバターに適用するための機器 として使われています。
そのため、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と組み合わせて使うことが 前提のモーションキャプチャーもあります。
ここからは、 上でピックアップしたモーションキャプチャーの価格や、 対応しているアプリ、センサー方式などを紹介していきたいと思います。
単体で使えるモーションキャプチャー
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)がなくても使える モーションキャプチャーは 「mocopi」になります。
頭部にもセンサーをつけることで HMDがなくても全身の動きをモーションキャプチャーできるのが特長です。
mocopi
モバイルモーションキャプチャーmocopi(モコピ)・SONY公式
2023年1月20日発売のSONYが手掛けるモーションキャプチャーです。 6個のセンサーを「頭、手首、腰、足首」につけることで 全身の動きを推定することができます。
バッテリーは最大10時間、防水、防塵で、 スマホアプリでアバターを動かすことができます。
VTuberがよく使うUnityや 3DCGでよく使うMotionBuilderへのストリーミングは、 別途プラグインソフトが必要になります。
VRソーシャルコミュニティで人気の VRChatとclusterにも対応しているのがうれしいところです。
対応アプリ |
|
---|---|
センサー方式 | 慣性センサー |
価格 | 49,500円(税込) |
mocopi(モコピ)はソニーストアから購入できます。
HMDが必要なモーションキャプチャー
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と組み合わせて使うことで 全身のモーションキャプチャーができるシステムです。
メタバースでのVRコミュニティを中心に 使われることが多いモーションキャプチャーです。
Uni-motion
Uni-motionは6個のセンサーを「胸、腰、ふともも、足首」につけて、 さらにHMDとコントローラーをつけることで 全身の動きをモーションキャプチャーできます。
また、脚の4つのセンサーを腕と手首につけることで HMDなしで上半身のみのアバターを動かすこともできます。
電源は単三乾電池で24時間以上動作します。 最大144Hzのサンプリングなので、 速い動きも追従してくれます。
対応アプリ |
|
---|---|
センサー方式 | 慣性センサー |
価格 | 49,500円(税込) |
HaritoraX
HaritoraXは、5つのセンサーを「お腹、ふともも、足首」につけます。 さらに、HMDとコントローラーを装着することで 全身の動きをモーションキャプチャーできるシステムです。
追加オプションで、「肘トラッキング拡張セット」と 「腰トラッキング拡張セット」があります。これらをつけることで アバターがより自然な動きになります。
バッテリーは最大10時間まで動作します。 メタバース向けの仕様で、 座ったり、寝転んだりしてもそれなりにアバターが追従するような アルゴリズムです。
対応アプリ |
|
---|---|
センサー方式 | 慣性センサー |
価格 | 33,900円(税込) |
ちなみに、HaritraXワイヤレスという商品も 2023年6月に販売予定です。
mocopiのように小型のワイヤレスセンサーです。 詳細はこちら。
VIVEトラッカー
個人向けモーションキャプチャーの先駆者と言っても 過言ではないのがVIVEトラッカーです。
基本的にはVIVE Proシリーズ、Cosmos Eliteシリーズ、 FocusシリーズといったHMDと一緒に使います。
高精度である光学式のセンサーです。 ベースステーションというセンサーを認識する機器が VIVEトラッカーをとらえることで モーションキャプチャーができます。
全身キャプチャーは、HMDとコントローラーの他に、 トラッカー3点がよく選ばれます。 トラッカーは「腰、足」につけます。 アバターをより自然な動きにするために、 「腰、肘、膝、足」の7点をつけることもできます。
対応アプリ |
|
---|---|
センサー方式 | 光学式 |
価格 |
19,000円(税込) 1個の価格 |
VTuberになるならどれを使う?
「VTuber活動でどのモーションキャプチャーを使うのが適切か?」 についてですが、 「どんな活動をするか」で少し変わってきます。
VRChatやCluster、VirtualCastなどの 「メタバースを使ったライブ配信」では、 HMDと組み合わせて使うモーションキャプチャーが適切です。
具体的には、Uni-motion、 HaritoraX、VIVEトラッカーがおすすめです。
なぜなら、 いまのメタバースでは HMDを使うことが前提になっているため です。
例えば、VRChat、Clusterでは基本的にHMDをつけて 没入することがおすすめになっています。 また、ほとんどのユーザーがHMDをつけているので、 フォロワーと同じ目線で体験して フィードバックすることが重要になります。
こういう理由からも メタバースで活動するときはHMDと組み合わせて使う モーションキャプチャーがおすすめです。
VTuberのコンテンツで 「ゲーム実況」や「やってみた系」を収録するときには モーションキャプチャー単体で使えるシステムがおすすめです。
具体的にはmocopiや上半身版Uni-motionなどです。
なぜなら、 HMDをつけないでコンテンツ収録をした方が 効率が良いから です。
例えば、 ダンスをするコンテンツのような「身体を動かす系のコンテンツ」 では、HMDを使わない方が自然に身体を動かせます。 また、何か食べたり飲んだりしながら話をするコンテンツでも HMDが邪魔になることもあります。 ゲーム実況でもHMD画面越しよりも じっさいにモニターを見ながら収録した方がやりやすいです。
こういう理由からも いろいろなジャンルのコンテンツを考えているならば 単体で使えるモーションキャプチャーがおすすめです。
モーションキャプチャーの他に、 個人向けにVTuberになるための機材についても 他の記事で紹介しています。
もし興味があれば、 そちらもあわせて見ていただくとうれしいです。
光学式と慣性センサーの違い
個人向けのモーションキャプチャーには 光学式と慣性式の2パターンがあります。
どちらの方式も一長一短であるため、 どちらか一方が優れているというわけではありません。
まずはHTC VIVEが採用している 「光学式モーションキャプチャー」についてです。
光学式のメリットとしては 「精度が高い」ことがあります。 位置を認識する精度が高いためアバターがぶれることが少ない という特長があります。
また、人間以外でもモーションキャプチャーができます。 例えば、テニスや卓球のラケットといった「物」にセンサーをつけることで 動きをとらえることができます。
デメリットとしては、「センサーが隠れると認識できない」 というものがあります。 光学式はセンサーの模様を受信機で認識する必要があるので、 センサーが物理的に見えないと三次元位置を計算できません、
続いて、mocopi、Uni-motion、HaritoraXが採用している 「慣性式モーションキャプチャー」です。
慣性式のメリットは、 障害物があってもモーションキャプチャーできることです。 つまり、隠れを気にする必要がないわけです。
デメリットとしては、 光学式と比べると位置の推定精度が劣ることです。 慣性センサーの特性上、「どれだけ動いたか」の相対的な移動量から 位置を求めるため、アバターの姿勢がズレることがあります。
また、人間以外の動きをとらえるのも難しいです。 慣性センサーの位置関係から人の関節を推定しているためです。 つまり、複数のセンサーから人という一つの物体を推定しているわけです。
あなたが「何にこだわるか」が重要になってくるので、 じっくりと考えて選んでみてください。
WEBカメラ・スマホのモーションキャプチャーはどう?
ここまで「光学式モーションキャプチャー」と「慣性式モーションキャプチャー」 について紹介してきました。 じつは、センサーを必要としない「センサーレス」の 個人向けモーションキャプチャーもありますが おすすめには挙げませんでした。
ちなみに、センサーレスモーションキャプチャーの仕組みとしては、 WEBカメラもしくはスマホのカメラで全身を撮影して 画像から人をAIで認識して3Dアバターに適用させる方式です。
さて、WEBカメラやスマホカメラのモーションキャプチャーを おすすめに挙げなかった理由ですが、 「動きの再現性の精度」が 光学式と慣性式に比べるとまだイマイチだからです。
例えば、 腰をひねったり、腕や脚をひねる動作をしたときに センサーがついていると比較的安定して回旋を再現してくれます。
しかし、WEBカメラやスマホカメラだと死角が多くなるため 動作の推定が難しくなり動きの再現が怪しくなることが多いのです。
WEBカメラやスマホカメラのモーションキャプチャーは とても手軽でさらに超低価格で導入できる大きなメリットがあります。 しかし、精度の面で動きの制約が多くなるので、 あえておすすめから外しています。
個人的にはWEBカメラやスマホカメラのモーションキャプチャーは、 ゲーム実況や解説系のVTuberのコンテンツを作るには とても最適だと感じています。
全身を使わずに、上半身だけの動きでコンテンツが作れ、 さらに低価格なためです。
ちなみにWEBカメラでモーションキャプチャーができるシステムは、 下のようなものがあります。参考までに。
VRにおすすめのパソコン
当サイトでは VR向けにおすすめのパソコンも紹介しています。
パソコンメーカー別に ローエンドからハイエンドまでのノートパソコンと デスクトップパソコンを提案しています。
VR用のパソコンをお探しの方は、 そちらもあわせて参考にしていただければ嬉しいです。
まとめ
「個人向け!低価格モーションキャプチャー4選」 についてのまとめです。
個人で購入できるおすすめのモーションキャプチャーは4つ。 「mocapi」「Uni-motion」 「HaritoraX」「VIVEトラッカー」
ヘッドマウントディスプレイがなくても全身のモーションキャプチャーが できるシステムはSONYのmocapi。
ヘッドマウントディスプレイを使うことが前提で作られているモーションキャプチャーが Uni-motion、HaritoraX、VIVEトラッカー。 ただし、Uni-motionは上半身ならヘッドマウントディスプレイがなくてもキャプチャー可能。
VTuberに向いているのは、コンテンツ内容によって異なる。
メタバースのようなVRのSNSで使うなら ヘッドマウントディスプレイを組み合わせるモーションキャプチャーが最適。
VTuberとして、オフラインコンテンツを作る場合は ヘッドマウントディスプレイがなくても使える モーションキャプチャーが使い勝手が良くて最適。