失敗しない!3DCAD向けノートパソコンのスペックはコレ

3DCAD用のノートパソコンは普通のノートパソコンとは違う!

失敗しない、3DCAD向けノートパソコンのスペックはコレ

こんなことが知りたい

3DCADに最適なノートパソコンのスペックは?

ノートパソコン選びの重要なポイントは?

ここでは、 3DCAD向けにノートパソコンを検討している方に向けて 「3DCADに最適なノートパソコンのスペック」と 「3DCAD向けノートパソコンの選び方」について解説します。

「CPU、メモリ、グラフィックボードの推奨スペックは?」 「どのような種類のノートパソコンが最適?」 「価格はどれくらい?」 と、ノートパソコン選びで悩みがちなトピックを取り上げて、 初心者向けに丁寧に解説します。

あなたのノートパソコン選びのお手伝いができれば幸いです。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

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目次

3DCADノートパソコンのスペック

3DCAD向けノートパソコンの推奨スペックは、 基本的に3DCADソフトごとによって若干違いがあります。

しかし、3DCADでユーザー数の多いAutoCAD、Fusion360、Revit、SolidWorks、CATIAといった 主要なソフトの推奨スペックを見ると、 設計の規模ごとに、 以下の表のスペックを満たすパソコンが推奨されています。

中小規模設計のスペック目安

CPU
  • Corei5
  • Core Ultra5
  • Ryzen5
メモリ
  • 16GB以上
グラフィックス
  • NVIDIA Tシリーズ
  • NVIDIA RTX Aシリーズ
  • NVIDIA RTX Adaシリーズ
  • AMD RadeonProシリーズ
いずれもGPU 4GB以上

大規模設計のスペック目安

CPU
  • Corei7
  • Core Ultra7
  • Ryzen7
  • Corei9
  • Core Ultra9
  • Ryzen9
メモリ
  • 32GB
グラフィックス
  • NVIDIA Tシリーズ
  • NVIDIA RTX Aシリーズ
  • NVIDIA RTX Adaシリーズ
  • AMD RadeonProシリーズ
いずれもGPU 8GB以上

CPU、メモリ、グラフィックボードは、 この表がおおまかなスペックの目安になります。 基本的には、あなたが行う設計の規模によって、 スペックを変えるのがおすすめです。

私自身、仕事でノートパソコンを提案するときは、 「設計の規模」に合わせてスペックを変えています。

中小規模の設計につかうノートパソコンのスペックで特に重要なのは、 CPUとメモリです。

CPUはCorei5、Ryzen5、Core Ultra5が最適で、 できればクロック数の高いモデルのCPUを選ぶのがおすすめです。

これは、3DCADソフトの多くがCPUの性能によって快適度が変わるような設計になっているためです。

例えば、 Autodeskの人気CADであるRevitの公式ページには、 できるだけクロック数の高いCPUを選ぶことが推奨されています。 これは、CPUの速度が速いと快適に動くことを表しています。

このようにCPU性能は、快適性に直結します。

また、メモリについては、 3Dモデルを構成するパーツ数や要素数によってスペックを検討するのがいいでしょう。

パーツ数が多くなることで、使うメモリの量も増えます。 メモリが不足すると、データの読み込みや3Dモデルの表示で急激に遅くなることがあるため、 余裕を持ったスペックにすることがポイントです。

グラフィックボードは、 多くの3DCADソフトで 「エンジニア向けのグラフィックス」が推奨されています。

エンジニア向けグラフィックスには、 具体的にNVIDIA Tシリーズ、NVIDIA RTXシリーズ、AMD RadeonProシリーズ、 インテル ArcProシリーズがあります。

これは、グラフィックボードメーカーが3DCAD開発元と提携して グラフィックボードを開発しているため、 不具合がほぼなく安定して動作するためです。

例えば、 CATIA、SolidWorksの開発元であるダッソーシステムズや、 AutoCAD、Fusion360の開発元であるAutodeskは、 「動作保証済み認定ハードウェア」として エンジニア向けグラフィックスを指定しています。

このような安定性の理由から、 3DCADではエンジニア向けグラフィックスがおすすめです。

さて、 3DCAD向けパソコンのスペックに関しては、 別のページでより詳しく解説しています。

もし、興味があれば、 こちらも合わせてご覧ください。

3DCADパソコンのスペック解説!失敗しないパソコン選び

3DCADパソコンのグラフィックボードの選び方

ノートパソコン選びのポイント

ノートパソコン

3DCAD向けのノートパソコン選びで失敗しないためには、 次の3つのポイントをおさえることが重要です。

  • モバイルワークステーションがおすすめ
  • 高解像度ディスプレイを選ぶ
  • 持ち歩くなら保証を手厚くする

まずはパソコンの種類ですが、 3DCADには 「エンジニア向けグラフィックス」が搭載されている モバイルワークステーションが最適です。

次に、設計作業を効率的にするためには、 できるだけ高解像度のディスプレイを選びます。

そして、 ノートパソコンのメリットである「持ち歩き」をするならば、 製品保証を充実されることがおすすめです。

各ポイントについて、 もう少し詳しく説明していきます。

モバイルワークステーションがおすすめ

ノートパソコン選びのポイントの一つ目が、 「3DCAD向けノートパソコンはモバイルワークステーションがおすすめ」 です。

モバイルワークステーションがおすすめの理由は、 「エンジニア向けグラフィックスが搭載されているから」です。 エンジニア向けグラフィックスは、 主要な3DCADソフトの動作確認がされているグラフィックボードのことを指します。

例えば、 ゲーミングPCやクリエイターパソコンのノートパソコンでは、 一般的に「ゲーム向けグラフィックス」が搭載されています。 種類としてはNVIDIA GeForce、AMD Radeon、インテルArcがあります。

これらゲーム向けグラフィックスを搭載したノートパソコンは、 ほとんどの場合が3DCADの推奨動作環境を満たしていることが多いです。 そして価格もモバイルワークステーションと比べると、 数万円安くなることもあります。 そのため、ゲーム向けグラフィックス搭載ノートパソコンを選ぶ人も少なくありません。

しかし、私自身の3DCADサポート経験を考慮すると、 できれば多くの3DCADで動作確認をされているエンジニア向けグラフィックス搭載の ノートパソコンを推奨します。

「安定性」は、 トラブルシュートという無駄な時間を避けるための大きなメリットになります。 例えば、あなたが1時間1万円という単価で仕事をしていた場合、 トラブルシュートにかかるコストは数万円~数十万円になることもあります。

これを初期投資の数万円だけでリスクを大幅に減らせるのは、 私はコストパフォーマンスが高い大きなメリットと感じています。

こういう理由からも 3DCAD向けノートパソコンは、モバイルワークステーションがおすすめです。

さて、エンジニア向けグラフィックス搭載の モバイルワークステーションを扱っているパソコンメーカーですが、 NVIDIA、AMDと業務提携しているメーカーに限られます。

主なメーカーとしては、 次のところがあります。

  • HP
  • DELL
  • Lenovo
  • Surface(マイクロソフト)
  • 富士通
  • ASUS
  • acer
  • MSI

このなかでDELL、HP、Lenovoは他のメーカーと比べると モバイルワークステーションの商品数も多く、 カスタマイズ性に優れている傾向にあります。

具体的なおすすめモバイルワークステーションについては、 別のページで取り上げていますので、 もし、興味があれば、こちらも合わせてご覧ください。

厳選!おすすめ3DCADパソコン12選

高解像度ディスプレイを選ぶ

ノートパソコン選びのポイントの二つ目が 「高解像度ディスプレイを選ぶ」です。

ノートパソコンやモバイルワークステーションは、 基本的に筐体がコンパクトのため、 ディスプレイの解像度も低くなりがちです。

しかし、3DCAD向けノートパソコンでは、 できるだけ解像度の高いものを選ぶことをおすすめします。

その理由として、 3DCADの設計作業では、 高解像度ディスプレイの方が快適度が圧倒的に高いからです。 私の3DCADサポート経験を踏まえると、 おすすめは「1920x1200(WUXGA)」以上のディスプレイです。

例えば、一般的なノートパソコンの解像度は、1920x1080のフルHDが主流です。 しかし、3Dモデリングでは縦に長い建造物や、 縦に長い製品といったものを設計することが多々あります。

このときに縦の解像度が低いと、3Dモデル全体が表示できずに、 画面スクロールをする操作が多くなります。 設計作業において、マウス操作が多くなるほど作業効率が下がり、 それに合わせて快適度も下がっていきます。

このような理由から、 できるだけ解像度の高いディスプレイのノートパソコンを推奨しています。

ただ、高解像度ディスプレイは価格が高いというデメリットもあります。 また、ディスプレイサイズも15インチ~17インチのものが多く、 ノートパソコン本体も大きくなりがちです。

その場合は、別途、外部モニターを購入するという方法もあります。

私自身も、じっくり3DCADソフトを使いたいときは、 机にある高解像度の別モニターにつないで、 できるだけ大きな画面で作業をするようにしています。

出張などの外出時には、 フルHDの画面で作業をして、 長時間ソフトを触るときは机に置いてある別モニターに接続して作業をしています。

例えば、下の図のように外部モニターに接続して、 高解像度のモニターで作業をしています。 また、ノートパソコン自体のディスプレイも使えるので、 デュアルモニターとしても活躍しています。

外部モニター

このように別途、外部モニターがあると、 ノートパソコンでも、 場合分けをしながら使えるので、意外に重宝しています。

3DCADに最適なモニターについては、 別のページで解説しています。 もし、興味があれば、こちらも合わせてご覧ください。

おすすめ3DCAD用モニター4選!仕事で使うモニター選び方

持ち歩くなら保証を手厚くする

ノートパソコン選びのポイントの三つ目が 「持ち歩くなら保証を手厚くするのがおすすめ」です。

3DCAD向けノートパソコンは、 できるだけ保証期間を長くして、 パーツ保証サービスがあるメーカーを選ぶのがおすすめです。

その理由としては、 「ノートパソコンのひとつひとつのパーツが高額であるため」です。

例えば、 高解像度の液晶ディスプレイが故障したとき、 パーツ交換で、おおよそ10万円と高額になることがあります。 これは、ビジネス用スペックのノートパソコンと比べると、 パーツの値段が高いためです。

他にも「エンジニア向けグラフィックス」も高額なパーツのため、 故障時には高額の修理代がかかります。

車でもそうですが、 高級車は車両保険に入る人が多いです。 これは、もしもの時の出費をできるだけ低くするためです。

3DCAD向けノートパソコンも同じで、 一般的なビジネス向けパソコンよりも高額なため、 保証を手厚くすることがリスクの低減につながるのです。

特にノートパソコンは 持ち歩いて使うことが多いので、 故障する確率もけっこう高いです。

その高額出費のリスクを、 できるだけ低くするために、 手厚い保証を付けることをおすすめしています。

さて、保証に関してですが、 各メーカーで対応が異なります。

例えば、HPのモバイルワークステーションでは、 追加料金なしで最低3年間のパーツ保証が付いてきます。 自然故障によるパーツを保証期間内であれば、無償で交換してくれるサービスです。

一方、DELLやLenovoでは商品によって、 1年保証と3年保証の場合があります。 別途オプション料金を支払うことで、 保証期間や内容をアップグレードできるので、 保証期間が短い場合は、「延長」を検討するのがおすすめです。

私のお仕事ノートパソコンはコレ

私のお仕事用のノートパソコンは、 HPのモバイルワークステーション「ZBook」を使っています。

ZBook

ZBookを選んだ理由としては、 「ディスプレイ解像度が高いこと」 「3年の無償パーツ保証が付いていること」 「エンジニア向けグラフィックス搭載なこと」 です。

ZBookは画面解像度が高いため、外部モニター無しでも、 縦の解像度が高いため、スクロール回数も少なく、 快適に操作することができます。

また、追加料金なしで3年間の無償パーツ保証が付いているのもうれしいところです。 サポートの仕事は、出張で持ち歩くことが多いので、 デスクトップと比べると故障する確率がかなり高いです。

ノートパソコンは、 特にディスプレイやヒンジの部分が壊れやすく、 前に一度だけ、ディスプレイが真っ黒になる故障があり、 無償で直してもらったことがありました。 修理費は7万円程度でしたが、パーツ保証で無料になり、 かなり重宝した覚えがあります。

ただ、デメリットもあります。 何よりも重いことです。 画面サイズが大きいので、かなり重いです。 また、モバイルワークステーションはバッテリーも重いです。 持ち歩くには筋トレと思ったほうがいいでしょう。

また、納期も少しかかります。 発注から手元に届くまでに2~3週間かかることもあるので、 買い替え時はいつも即納のセール品を選ぶことが多いです。

私が愛用しているZBookもおすすめノートパソコンとして 紹介していますので、 もし、興味があれば、下のページも合わせてご覧ください。

厳選!おすすめ3DCADパソコン12選

価格の相場は?

「3DCAD向けノートパソコンの価格は どれくらいが相場なのか?」 購入前に一番気になるところでしょう。

中小規模設計に使うノートパソコンと、 大規模設計に使うノートパソコンで大きく価格が異なります。

まず、中小規模設計で使うスペックのノートパソコンでは、 おおよそ20万円強~35万円強になります。

この価格差は、メーカーによって、 搭載しているグラフィックスの種類が違うことや、 CPUの種類が違うことが原因です。

CPUでは、Coreiシリーズ、Core Ultraシリーズ、Ryzenシリーズによって 価格が大きく変わります。 特に新しい技術のCore Ultraシリーズを搭載しているノートパソコンは、 30万円を超えることが多い傾向にあります。

DELLがいち早く、 Core Ultraシリーズを搭載してるモバイルワークステーションを主流にしています。

Ryzenシリーズ搭載のノートパソコンは、 価格が安い傾向にあり、20万円台で購入できることも多いです。

HP、Lenovoが低価格商品としてRyzenシリーズと、 RadeonPro対応のRadeonグラフィックスを搭載した、 モバイルワークステーションを採用することも多いです。

大規模設計で使うスペックのノートパソコンは、 おおよそ40万円~60万円になります。

中規模設計向けノートパソコンと同様に、 CPUでは、Coreiシリーズ、Core Ultraシリーズ、Ryzenシリーズによって 価格が大きく変わります。

さらに、グラフィックスは上位機種が搭載されているものが多く、 商品のグレードによって価格差が広がります。

NVIDIA RTX Aシリーズの上位機種が付いているモバイルワークステーションは、 「40万円から」が多いです。 さらに新しい世代のAdaシリーズ搭載のモバイルワークステーションは、 60万円前後になることが多いです。

デスクトップと迷っているなら

デスクトップとノートパソコンのどちらにしようか 悩んでいる方も少なくないでしょう。

私がいつも提案していることとしては、 デスクトップパソコンで作業ができる環境があるならば、 デスクトップパソコンをおすすめしています。

その理由は、 デスクトップパソコンは、 ノートパソコンよりもコストパフォーマンスに優れているためです。

例えば、 同じ価格のノートパソコンとデスクトップパソコンを購入した場合、 圧倒的にデスクトップパソコンの方が性能が高いパソコンが買えます。

これは、ノートパソコンは小さな筐体にパーツを入れるため、 パーツの性能を犠牲にして小型化しているためです。 例えば、デスクトップ向けCore Ultra 5とノートパソコン向けCore Ultra5では、 デスクトップ向けCPUの方が性能が高いです。

このように、 デスクトップパソコンの方が価格や性能が有利というメリットがあるので、 迷っているならばデスクトップパソコンをおすすめしています。

ただ、私のように仕事で持ち歩くことが多い場合は、 ノートパソコンにするのがいいでしょう。

出張先の現場でモデルを修正したい場合でも、 ノートパソコンであれば早急に対応できます。

このように、持ち歩くことが多いスタイルの仕事であれば、 ノートパソコンがいいでしょう。

Macを選ぶときの注意点

3DCADによっては、 macOSに対応しているソフトもあります。

さて、Macを3DCAD向けノートパソコンとして選ぶときの注意点として、 「あなたが使う予定の3DCADソフトが最新のmacOSに対応しているか確認すること」です。

当たり前のようなことを言っていますが、 じつは、3DCADソフトはmacOSの対応が後手に回ることも少なくありません。

最新のMacBookを購入したとしても、 そのMacBookのmacOSが最新すぎて使用予定の3DCADが 未サポートということが稀にあります。

例えば、 AutoCADでは、MシリーズのMacBookが発売された当初、 一部の機能制限がある状態だったこともありました。 短期間ではありましたが、 Rosetta2経由で起動しないと、すべての機能が使えない時期もあったのです。

このように、 macOS特有の開発事情もあるため、 新しいMacBookを購入するときは、 しっかりメーカー元の推奨動作環境を確認することが必要です。

まとめ

「失敗しない!3DCAD向けノートパソコンのスペックはコレ」 についてのまとめです。

3DCAD向けノートパソコンのスペックは、 設計規模ごとに変えるのが適切。

ノートパソコン選びのポイントとして 「モバイルワークステーションを選ぶこと」 「高解像度ディスプレイを選ぶこと」 「保証を手厚くすること」がある。

3DCAD向けノートパソコンの価格は、 中規模設計のスペックで20~35万円で、 大規模設計のスペックで40~60万円が相場。

デスクトップのほうがコスパがいいため、 あなただけの机がある環境ならば デスクトップパソコンがおすすめ。

MacBookを選ぶときは、 使用対象の3DCADが購入予定のMacBookのOSに対応しているかを確認すること。

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