3ds Maxの推奨スペックと失敗しないパソコンの選び方

3ds Maxの推奨スペックとパソコンの選び方を解説

3dsMaxの推奨スペックと失敗しないパソコンの選び方

こんなことが知りたい

3dsMaxの推奨スペックは?

3dsMaxで建築モデリングに最適なパソコンのスペックは?

3dsMaxでアニメーション作成におすすめのスペックは?

ここでは3ds Maxを使うパソコンを検討している方に向けて、 「3dsMaxの推奨スペック」と「用途別のスペック目安」 を解説します。

「建築モデリングに必要なスペックは?」 「ゲームなどの3Dキャラクター作成に向いているスペックは?」 「アニメーション作成に適したスペックは?」 と、パソコン選びで悩みがちなことをピックアップして、 初心者向けに丁寧に説明しています。

あなたのパソコン選びのお手伝いができればうれしいです。

この記事を書いた人

自分
さくら

  • 3DCADサポートエンジニア
  • サポート歴7年
  • Autodeskとダッソー製品のカスタマーサポートに従事

詳しい紹介はこちら 「自己紹介」

目次

3dsMaxの推奨スペック

3dsMaxが快適に動作するパソコンの基本は、 「3DCGで推奨されるスペック」 でも紹介していますが、CPU、メモリ、グラフィックスが 3D表示に特化したスペックになっている必要があります。

具体的な推奨スペックは、 下の表のとおりです。

CPU
  • Intel 64ビット
  • AMD 64ビット
メモリ
  • 推奨:8GB以上
最低4GBで動作可能
グラフィックス
  • NVIDIA RTX Adaシリーズ
  • NVIDIA RTX Aシリーズ
  • NVIDIA GeForce RTXシリーズ
  • AMD RadeonProシリーズ
  • AMD Radeonシリーズ
  • Intel ArcProシリーズ
マウス
  • 3つボタンマウス

上記のスペック表は、 3dsMaxの開発元であるAutodeskの公式サイトを基にして 一部転記しています。

3ds Maxの動作環境・Autodesk公式サイト

まず、CPUのスペックに関してですが、 インテル、AMDの64ビット対応のCPUであれば動きます。 ただし、CPUは作成する3DCGモデルやアニメーションの規模によって 相応のスペックが必要になります。

例えば、小規模のモデリングであればCorei5、Ryzen5でも十分ですが、 中規模以上のモデリングではCorei7、Ryzen7がおすすめです。

メモリの最小スペックは4GBですが、 推奨スペックは8GB以上です。

3dsMaxは比較的、少ないメモリでも3Dモデリングできることで有名ですが、 「3Dモデルの質」を上げていくとメモリも相応のスペックが必要になります。

例えば、 建築物の壁やタイルにテクスチャと呼ばれる、画像ファイルを貼り付けることがありますが、 高画質な画像を使うと多くのメモリが必要なってきます。

グラフィックボードは、 NVIDIA、AMDの専用グラフィックボードが必須です。 また、インテルの業務用グラフィックボードであるArcProも推奨されています。

一方でCPU内臓グラフィックス、APU内臓グラフィックス と呼ばれているものは、3D描画が得意ではないため、 3dsMaxではおすすめされていません。

例えば、 インテルUHDグラフィックス、インテルIrisXeグラフィックス、 AMD Radeon APU内臓グラフィックスがあります。 ただし、AMD Radeon APU内臓グラフィックスは、 「RadeonProドライバー対応」と書いてあれば問題ありません。

最後に、操作をするためのマウスですが、 3つボタンマウスが必須です。 3D画面で拡大縮小や回転、平行移動といった操作をするために 真ん中のボタンを使うためです。

ここまでは推奨スペックの概要を説明しました。 ここからは「3dsMaxの用途別にスペックの目安」について もう少し詳しく解説していきます。

建築モデリングのスペック

リビングの3DCG画像

3dsMaxは 「建築物の3Dモデリング」の用途でよく使われています。

私自身もAutoCADやRevitなどの3DCADのサポートをしていたときは、 3DCADで作った設計データから、 広告宣伝用やクライアント向けのコンセプト案を 3dsMaxで作成したいというお客様が多数いました。

それくらい 建築業界でコンセプト用の3DCGを作るときは 3dsMaxを使うのが主流になっています。

そのような、 建築3DCGをモデリングするには、 次の表のスペックがおすすめです。

CPU
  • Corei5
  • Ryzen5
  • Corei7
  • Ryzen7
メモリ
  • 16GB以上
グラフィックス
  • NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ
  • AMD Radeon シリーズ
GPUメモリ6GB以上

これは、 「ゲーミングPC」と「クリエイターパソコン」で よく採用されているスペックです。

ゲーミングPC、クリエイターパソコンは、 3Dモデリングに最適な、 バランスの取れたCPU、メモリ、グラフィックボードを選べるのが特長です。

一般的に3DCADを設計するときには ゲーム用途向けのグラフィックボードである GeForce、Radeonではなく、業務用のNVIDIA RTXシリーズやRadeonProシリーズ が選ばれます。

しかし、 3dsMaxは3DCGなのでゲーム用途向けのグラフィックボードでも問題ありません。

多くの場合、 3dsMaxで建築3Dモデリングをする人は、 3DCADソフトで設計する方とは別の人が担当するため、 パソコンが別になることが多いのです。

そのため、 無理に3DCADに合わせて高価な業務用グラフィックボードが付いている パソコンを選ぶ必要はありません。

グラフィックボードの種類に関してですが、 作成する建築3Dモデルの規模に合わせて 選ぶのがおすすめです。

例えば、 下の画像のような小規模のキッチン周りをモデリングする場合は、 GPUメモリが6GB程度のローエンドのグラフィックボードで十分でしょう。 しかし、広いリビングダイニングのような中規模以上のモデリングでは、 GPUメモリが8GBのミドルエンドのグラフィックボードが適切です。

小規模と中規模

具体的な商品だと、小規模モデリングであれば「GeForce RTX4060」 「GeForce RTX4060Ti」「Radeon RX7600」で、中規模以上のモデリングであれば 「GeForce RTX4070」「GeForce RTX4080」「Radeon RX7700」以上がおすすめです。

CPUはグラフィックボードのスペックとバランスが取れるものがいいでしょう。 ローエンドのグラフィックボードであればCorei5、Ryzen5が適当ですが、 ミドルエンド以上のグラフィックボードであれば Corei7、Ryzen7が適当です。

中規模以上の建築3Dモデルのようなポリゴン数の多いCGは、 3D描画にスペックの高いグラフィックボードと釣り合いの取れるCPUスペックが 必要になります。

特にモニター解像度が高くなるほど高いCPU性能が必要になるので、 しっかりとバランスの取れたスペックを選んでください。

メモリも規模によって容量を選ぶのがいいでしょう。 小規模であれば16GBで十分ですが、 中規模以上のモデルでは32GBが理想です。 32GBあればスペック不足に陥ることはほとんどありません。

ゲーム向け3Dモデリングのスペック

ゲームキャラクターCG

3dsMaxはゲームで使われるキャラクターや背景などの 3DCGモデリングでもよく使用されています。

例えば、ヒロインの女性キャラクターや敵キャラのドラゴン、 森の中の背景などがあります。

このようなゲームコンテンツ内で使われる3DCGをモデリングするには、 次の表のスペックがおすすめです。

CPU
  • Corei5
  • Ryzen5
  • Corei7
  • Ryzen7
メモリ
  • 16GB以上
グラフィックス
  • NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ
  • AMD Radeon シリーズ
GPUメモリ6GB以上

建築3Dモデルの推奨スペックと同様に、 ゲーム向け3Dモデリングには、 「ゲーミングPC」と「クリエイターパソコン」がおすすめです。

特にグラフィックボードは ゲーム向けのNVIDIA GeForce RTX、Radeonが相性がいいでしょう。

これは、制作されたゲームが「ゲーミングPC」もしくは「クリエイターパソコン」で 遊ばれることが多いためです。

例えば、3Dコンテンツを作ったパソコンのスペックと ゲームをプレイするパソコンのスペックが 同じような構成であれば不具合のリスクが大きく減ります。

ゲーム開発の段階でエンドユーザーが使うパソコンスペックを意識していれば、 キャラクターの見た目の崩れや背景の不具合などもすぐに見つかり、 効率よく開発ができます。

こういう観点から グラフィックボードはゲーム向けのGeForce、Radeonがおすすめです。

具体的なグラフィックボードの種類は、 キャラクター単体のモデリングや、 背景単体のモデリングであれば、 GPUメモリが6GB程度のローエンドのグラフィックボードで十分でしょう。 複数キャラクターと背景を合わせながらモデリングする場合は、 GPUメモリが8GB以上のミドルエンドのグラフィックボードがおすすめです。

CPUのスペックもグラフィックボードに合わせます。 CPUは、小規模モデリングであればCorei5、Ryzen5で十分ですが、 中規模以上のモデリングであればCorei7、Ryzen7がおすすめです。

メモリも同様にモデリングの規模でスペックを決めます。 メモリは単体のキャラクターモデリング、背景モデリングでは、 16GBあれば足りるでしょう。

中規模以上になり、画面に表示するポリゴン数が増えると 一気にメモリ消費が増えますので、 できれば32GBがおすすめです。

アニメーション作成のスペック

飛び込み受け身のアニメーション

3dsMaxは、3Dアニメーション業界でも数多く使われており、 おすすめの3Dアニメーションソフト としても、よく取り上げられます。

そのようなアニメーション作成におすすめのスペックは、 次の表のとおりです。

CPU
  • Corei5
  • Ryzen5
  • Corei7
  • Ryzen7
メモリ
  • 16GB以上
グラフィックス
  • NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ
  • AMD Radeon シリーズ
GPUメモリ6GB以上

アニメーション作成でもモデリングと同じように 「ゲーミングPC」と「クリエイターパソコン」がおすすめです。

アニメーション作成では、 色々な機能を使って作品を作っていくため、 それに見合ったバランスの取れたスペックが求められます。

そのため、カスタマイズしやすいゲーミングPCや クリエイターパソコンがおすすめなのです。

アニメーション作成では、「3D描画速度」がキーポイントになってきます。 そのため、どちらもミドルエンド以上のCPUとグラフィックボードが推奨です。

例えば、アニメーションは、 時間軸を常に動かして、 何度も3Dキャラクターの動きを確認しながら作成していきます。 これは、3D表示のリアルタイム性が求められます。

そのため、一定以上の速さとGPUメモリがあるグラフィックボードと、 それを高速にディスプレイに表示できるCPUの性能の両方が必要になります。

CPUはコア数よりも、クロック数が高いほうが 快適と感じる度合いが高くなります。 これは、アニメーション作成で多用する、 キャラクターの動きを生成する機能でCPUがフル活用するためです。

例えば、 アニメーションでは、 キーフレーム補間と呼ばれる「キャラクターのポーズ」を自動的に生成する機能や、 マウスで動かしながら姿勢を作るIK・FK機能を フル活用しながら作っていきます。

これら機能はCPUのスペックに依存していて、 特にクロック数が高いほど高速に動きます。

こういう理由からも この機能を快適に使えるミドルエンド以上のグラフィックボードとCPUがおすすめです。

メモリについては、 使っている3DCGモデルの規模によって変わってきます。

背景もシンプルでキャラクターも1人~2人くらいのアニメーションであれば、 メモリ16GBでパソコンの動きが遅くなることは少ないでしょう。 しかし、ゲームで使うような背景と多人数のキャラクターを同時に読込む場合は、 できれば32GB以上がおすすめです。

アニメーションを動画に出力するレンダリングのときにも メモリのスペックが関わってきます。

一度に表示する3DCGモデルが多いほど ポリゴン数が多くなり、レンダリングでもメモリを使います。

こういう理由からも 小規模のアニメーションでは16GB、 中規模以上では32GBがおすすめです。

大規模レンダリングのスペック

3dsMaxで最も時間のかかる処理といえば、 レンダリングになります。

建築3Dモデルやゲーム向けの3Dキャラクターと背景、 1分~2分程度のアニメーションであれば、 上で説明した程度のスペックのゲーミングPC、クリエイターパソコンでも それなりのスピードでレンダリングができます。

ただ、下の図のような 広大な背景と何十人ものキャラクターが含まれている3DCGや、 ポリゴン数の多い詳細な3Dキャラクター、 そして、5分、10分を超えるようなアニメーションのレンダリングには、 かなり高性能なパソコンが必須になります。

エイリアンと宇宙船のCG

高精細な3Dモデル

このような高精細なCGをレンダリングするには、 以下のスペックがおすすめです。

CPU
  • Corei7
  • Ryzen7
  • Corei9
  • Ryzen9
メモリ
  • 32GB以上
グラフィックス
  • NVIDIA RTX Aシリーズ
  • NVIDIA RTX Adaシリーズ
  • AMD RadeonPro シリーズ
  • NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ
  • AMD Radeon シリーズ
GPUメモリ12GB以上

このスペックを満たす具体的なパソコンの種類としては、 業務用のワークステーションになります。

このスペックがおすすめの理由としては、 「ハイエンドのパソコンを使わないと、 レンダリングで 数時間から数十時間以上の差が出てしまうため」です。

例えば、 高精細な3DCG作品では「レンダリング設定」にかなりの時間がかかります。 モデルの色味、ノイズ、発色、テクスチャなどを最適にするために、 何度も何度も設定を変えてプレビューします。

プレビューのたびに簡単なレンダリングをするため、 待ち時間が多くなるのです。

この待ち時間をどれだけ減らせるかで 作業時間が大きく違ってきます。 この無駄な時間を削減するにはスペックの高い ハイエンドのパソコンが必要になるのです。

レンダリングに最適なワークステーションについては 「処理速度が一気にあがる!おすすめワークステーション」 で紹介しています。

興味があれば、 合わせてご覧ください。

冷却について

レンダリングでは、 CPUとグラフィックボードの使用率が100%近くなることがあります。 そのため、パソコン自体の熱が高くなり、 パフォーマンスが悪くなることもあります。

デスクトップ型のワークステーションであれば冷却がしっかりしているため、 そこまで気にする必要がありません。 しかし、ノートパソコンやモバイルワークステーションでは、 熱対策をしっかりしたほうがいいでしょう。

例えば、 ノートパソコンであれば「スタンド」が役に立ちます。 私自身も3DCG制作向けにノートパソコンのゲーミングPCを購入しました。 最初はノートパソコンを机に直置きで作業をしていましたが、 CPU、グラフィックボードの使用率が増える機能を使うと、 どうしても筐体が熱くなってしまいます。

パソコンに熱がこもることで 動作が遅くなることもあったため、 ノートパソコン用のスタンドに本体を載せて対策をしました。 さらに、別モニターを購入して、 いまでは2画面で3DCG制作を行っています。

ノートパソコン用のラック

レンダリング中にパソコンが一定以上の熱を持つと、 急激に速度が遅くなることがあったので、 あなたがノートパソコンを検討しているならば スタンドも一緒に購入することをおすすめします。

Amazonや楽天で2000~3000円程度で売っています。 機能はどれもほとんど変わらないので、 気に入ったデザインのものを選ぶのがいいでしょう。

仮想環境を使ったMacでの運用

3dsMaxはWindowsのみに対応していますが、 MacにBootCampやVMWareといった仮想環境を導入して 3dsMaxを動かしている方もいます。

しかし、2023年10月以降、 技術上の問題からAutodeskは3dsMaxの仮想環境での動作を サポートできなくなっています。

Apple macOS での 3ds Max のサポート・Autodesk公式

このことから、 今後は3dsMaxを使う場合は Windowsパソコンを選ぶのがおすすめです。

3dsMaxのおすすめパソコン

3dsMaxでの「建築モデリング」「ゲーム向け3Dモデリング」 「アニメーション作成」に最適なパソコンについて、 おすすめの機種をピックアップしています。

デスクトップパソコンと ノートパソコンの両方を厳選していますので、 よかったら参考にしてみてください。

厳選!おすすめ3DCGパソコン10選

まとめ

「3dsMaxの推奨スペックと失敗しないパソコンの選び方」 についてのまとめです。

建築モデリングのスペックは、 ゲーミングPC、クリエイターパソコンで採用されるスペックが適当。

作成する建築パースの規模に合わせて スペックを検討するのがおすすめ。

ゲーム向けコンテンツ作成でも ゲーミングPC、クリエイターパソコンで採用されているスペックが最適。

アニメーション作成では、 CPU、メモリ、グラフィックボードのスペックをバランスよく選択するのが最適。

大規模レンダリングでは、 ワークステーションで採用されるスペックが推奨。 ハイスペックにすることでレンダリング時間を極力短くして、 作業効率を高めるのがおすすめ。

Macに仮想環境を入れて、 3dsMaxを動かすのはAutodeskがサポートしなくなったため非推奨。

関連記事

3dsMaxの価格を解説!お得に買うならこのプラン

3dsMax永久ライセンスはない!買うべきはコレ

3ds Maxのセールはいつやる?セール期間を知る方法

Mayaの推奨スペックはコレ!失敗しないパソコンの選び方

Blender推奨スペックはコレ!おすすめパソコン10選

3ds Maxで建築パースの独学に必要な4つのアイテム

Copyright (C) 3DCADパソコンのスペックガイド. All Rights Reserved.