使われているアパレルCADを紹介
こんなことが知りたい
服飾、アパレルで使われているCADは？
無料で使えるCADはある？
ここでは、 アパレルCADを探している方に向けて 「仕事で使われているCAD」や「無料で使えるCAD」を解説しています。
「就職に有利なアパレルCADは？」 「価格はどれくらい？」 「無料で使えるアパレルCADはある？」 と、初心者が気になることをピックアップして解説しています。
あなたの情報収集のお手伝いができれば幸いです。
目次
就職に有利なアパレルCAD
服飾、アパレル業界で使われているCADは限られているため、 あまり選択肢がないのが現状です。
そのなかでも スキルがあると就職に有利なCADは つぎの2つのソフトです。
- クレアコンポⅡ
- CLO 3D
クレアコンポⅡは、 東レACSが開発販売を行っているアパレルCADです。 アパレル、服飾業界でトップシェアになっています。
CLO 3Dは CLO Virtual Fashionが開発を手がけるアパレル向けの3DCADです。 若いソフトですが、機能も豊富なので ユーザー数が増えているソフトです。
各アパレルCADについて、 このあともう少し詳しく説明していきます。
クレアコンポⅡ
クレアコンポⅡは老舗のアパレルCADメーカーである 東レACSが開発と販売をしているCADです。
1998年にリリースされたクレアコンポは、 アパレルCADの先駆者で いまではアパレルCAD分野でトップシェアになっています。
中小企業から大手企業まで クレアコンポⅡを導入している企業の幅は広いです。 そのため、 求人条件に「クレアコンポⅡのスキルがある方は優遇」 と書いている企業が多いのも特長です。
また、服飾の専門学校や 大学のファッション、デザイン学科でも授業に導入しているところもあります。
クレアコンポⅡはいくつかのモジュールにわかれていて、 使いたいモジュールを選んで使っていきます。
基本は「Pattern MagicⅡ」のモジュールでパターンメイキングをしていきます。 新しくパターンを作る機能だけではなく、 製図紙に書かれたパターンを読み取りデジタル化するツールとしても使えます。
そのほかのモジュールとして、 グレーディングするための機能がある「Grading MagicⅡ」や マーキングするための「Marker MagicⅡ」などもあります。
これらモジュールはすべて別価格になっているので、 使いたいモジュールを選択して導入します。
ライセンスは企業向け、個人向けでわかれています。 企業向けは基本契約料と年間使用料を支払う形式です。 個人向けは日額制または1カ月のサブスク形式でライセンスが提供されます。
個人向けライセンスの価格は、 各モジュールソフトによって異なります。 例えば、Pattern MagicⅡは、 日額制で1日1100円、月額で10450円です。 (2024年1月現在)
クレアコンポⅡを使うパソコン環境ですが、 そこまでハイスペックなパソコンは必要ありません。 一般的なオフィスワークができるスペックで問題なく、 おおよそ10万円程度のパソコンが必要になります。
クレアコンポⅡは個人用ライセンスがあるので独学も可能ですが、 ライセンス料があるので それなりの投資が必要にあります。
スキルを習得するための教材は、 東レACSの公式ページまたはYouTubeチャンネルにアップされています。 そのため、独学でもスキル習得は可能です。
さらに詳しい説明は、 東レACSの公式ホームページに載っていますので、 興味がある方はそちらを参照ください。
CLO 3D
CLO 3Dは2009年にリリースされた 3DCADをコンセプトにしたアパレルCADです。
CLO Virtual Fashionが開発を行っています。 アジア、アメリカ、ヨーロッパと幅広い地域で使われていて、 日本でも急成長しているアパレルCADです。 日本の販売代理店はユカアンドアルファで、 CLO 3Dの販売及びサポートを担っています。
CLO 3Dは大手企業を中心に導入されていて、 求人数も少しずつ増えています。
特出すべきは、教育機関でCLO 3Dを取り入れている 専門学校、大学が増えていることです。 CLO 3DはクレアコンポⅡと組合わせながら使うことがあるため、 「両方を学ぶ」カリキュラムが検討されつつあります。
CLO 3Dのみでパターンメイキングをすることは可能ですが、 平面でパターンを作るのはクレアコンポⅡが得意なこともあり、 いまはまだ両方を使う場合が多いです。
ただ、CLO 3Dはじっさいに3Dの人体モデルに合わせながら 立体で裁断を行う方法に似ているので 製品のイメージがしやすいという特長があります。
日本では平面でパターンメイキングをすることが多いので、 クレアコンポⅡでパターンを作り、 そのデータをCLO 3Dにインポートしてシミュレーションするのが一般的です。
CLO 3Dのライセンスはサブスク形式になっていて CLO Virtual Fashion公式サイトから オンラインで購入することができます。
学生向け、個人向け、企業向け、教育機関向けのライセンスがあります。 学生ライセンスは個人向けライセンスの半額で購入できます。 個人向けライセンスは年間で450ドルです。（2024年1月現在）
ユカアンドアルファからも購入可能です。 ユカアンドアルファからの購入価格は直接問い合わせが必要です。 代理店経由で購入するメリットは 日本語による丁寧なサポートが受けれることです。
また、ユカアンドアルファは、有償ですがCLO 3Dのセミナー開いています。 CLO 3Dはまだ教材が少ないため、スキル習得にとても有益です。
CLO 3Dを使用するための機材ですが、 3DCADのためかなりハイスペックなパソコンが必須になります。
CLO 3Dの推奨スペックを満たすパソコン は、NVIDIAのグラフィックスが搭載されたクリエイターパソコン、 ゲーミングPC、 ワークステーションになります。 おおよそ25万～30万円程度のパソコンが必須です。
そのため、独学をするためには それなりの投資が必要になります。
CLO 3Dに関しての詳しい説明は、 CLO Virtual Fashion公式サイトまたは、 ユカアンドアルファ公式サイトに載っています。 興味があればあわせてご覧ください。
パタンナー向けの実用的なソフト
アパレルCADではありませんが、 Adobeイラストレーターを使って パターンメイキングをする方法もあります。
Adobeイラストレーターは イラスト作成やグラフィックデザインをするためのソフトですが、 幾何学図形を作るのが得意なソフトなので、 パターンを作成することも可能です。
そんなイラストレーターには、 アパレル向け機能を組み込んだオプションソフトがあります。
iPM（illustrator Pattern Making System）という名前で、 パターンメイキングに特化した Adobeイラストレーターのオプションソフトです。
Adobeイラストレーターだけでも パターン作成はできますが、 iPMを導入することでより効率的にパターンメイキングが可能になるわけです。
iPMはいくつかのモジュールにわかれていますが、 「Segment Tools」が基本です。
iPMはサブスク形式のライセンスで 価格は年間11000円です。（2024年1月現在）
これとは別にAdobeイラストレーターの サブスク料金も必要です。
iPMのさらに詳しい内容は 販売元のBABY UNIVERSE公式ページをご参照ください。
まずは体験してみたい人向けのCAD
さて、 ここまではじっさいに現場で使われているアパレルCADを紹介しました。 ここからは無料で使えるアパレルCADを取り上げていきます。
「無料のアパレルCADを覚えても意味がないのでは？」 と感じるかもしれませんが、 じっさいにはそうではありません。
CADは基本的に同じような流れでモノをデザインしていきます。 この流れはクレアコンポⅡでもCLO 3Dでも同じです。
そのため、無料のアパレルCADでも体験することで モノづくりのスキルが上がっていくわけです。 「CADで流れを体験した人」と「全くCADに触れたことがない人」では、 上達速度に差が生まれやすいです。
そういう観点からも 予算が用意できなかった場合は、 まずは無料のアパレルCADを触ってみるのがおすすめです。
パタパタモードくん
「パタパタモードくん」は JCSystemsが提供するフリーのアパレルCADです。
パターンメイキングから縫代付け、グレーディング、マーキングまで 一連の流れをすべてこのCADソフトで体験することができます。
ライセンス料は無料ですが、 基本的には会員登録をする必要があります。 JCSystemsが運営する「JC倶楽部」の会員に登録することで パタパタモードくんを使えるようになります。 ちなみに会員の年会費は無料です。
操作方法に関しては、 提供されるマニュアルとYouTubeチャンネルにアップされている チュートリアル動画で学ぶことができます。
PATA PATA MODEKUN official・YouTubeチャンネル
まとめ
「アパレルCAD・習得するならコレ！」についてのまとめです。
就職に有利なアパレルCADは2つ。 「クレアコンポⅡ」と「CLO 3D」
クレアコンポⅡは アパレルCADではトップシェアを誇っているため、 スキル習得で就職が有利になる。
CLO 3Dは3DCADを得意とするアパレルCADで、 教育機関でもカリキュラムに導入するところが増えている。
AdobeイラストレーターにもiPMという パターンメイキングに特化したプラグインソフトがある。
無料のアパレルCADに「パタパタモードくん」がある。